2月27日(現地時間)、スペインのラグジュアリーフレグランス・ファッション企業プーチ(Puig)は、2024年の通年業績を発表し、純収益47億9,000万ユーロを記録したことを発表した。これは前年比11.3%増(報告ベース)、10.9%増(LFLベース)であり、プレミアムビューティ市場全体の成長率を上回る結果となった。
また、純利益は5億3,100万ユーロで、前年より14.1%増加。調整後純利益は5億5,100万ユーロ(+15.5%)に達し、堅調な成長を示した。
フレグランス部門が業績をリード
プーチの成長を牽引したのは、フレグランス部門の躍進である。世界的に人気の高い、キャロリーナ ヘレラ(Carolina Herrera)の「グッドガール(Good Girl)」が、女性向けフレグランス市場でNo.1に輝いたほか、ジャンポール ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)の「ル・マル(Le Male)」が男性向けフレグランスで3位、ラバンヌ(Rabanne)の「ワンミリオン(One Million)」が4位にランクインした。
プーチの会長兼CEOであるマルク・プーチ(Marc Puig)は、「2024年はプーチにとって変革の年でした。110年にわたるファミリービジネスから上場企業へと移行し、IPOにおける約束を果たし、プレミアムビューティ市場を上回る成長を遂げました」と声明で述べている。
IPO後の動向と今後の見通し
同社は、2024年5月にマドリード証券取引所に上場し、27億ユーロ規模のIPOを完了した。しかし、株価はIPO後に25%下落。上半期はIPO関連コストや従業員ボーナス支払いの影響で純利益が26%減少したものの、下半期には回復し、通年では成長を維持する形となった。
なお、2025年の売上成長率は6%〜8%と予測され、2024年の成長率(11.3%)と比べると鈍化する見込みだ。これはメイクアップとスキンケア市場の減速に加え、米国での新たな関税導入の可能性を考慮した結果である。
近年、ロレアル(L’Oréal)やエスティローダー(Estée Lauder)といった競合他社も、中国市場の低迷や米国のインフレの影響で成長が鈍化している。こうした市場環境を踏まえ、プーチは今後もフレグランス事業の拡大に注力しつつ、メイクアップ市場の競争激化への対応やスキンケアブランドの強化を進める方針だ。
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