アレキサンダーワン(alexanderwang)が、リゾート2026 コレクション「ザ・ディボーシー/離婚した女性(The Divorcee)」を公開した。同コレクションは、離婚という人生の転換点をきっかけに新たな自分へと生まれ変わる女性像を描き、復讐と再生を軸にしたパワードレッシングの再構築を試みるものだ。幼少期のドレスアップの記憶から無垢さを経て力強い自己確立へと向かう物語が、シルエットや素材選びを通じて繊細に紡がれる。
テーラリングは80年代のグラマラスなムードを下敷きにしながらも、現代的な実用性を融合。オーバーサイズスーツはシンチディテールや伸縮性のあるウエストラインによって存在感と着心地を両立させ、アクセサリーではエンゲージリングを思わせるトゥキャップが特徴の「Akilita」レザーヒールや、クリスタルドレープが印象的な「Divina Bag」がフェミニンさとウィットを添える。
素材にも、女性の内面に潜む揺らぎが反映されている。デニムにグレーズ加工を施した「Punch Tote Bag」はレザーのような光沢と軽やかさを持ち、リフレクティブナイロンを用いたセットアップやトラックスーツ、パファーはオンブレグラデーションによって光と時間の変化を映し出し、朝から夜へと移ろう情緒を捉える。
コレクション全体には心地よさと強さの緊張感が宿る。マットジャージーは彫刻的なガウンや“リトルブラック・リベンジドレス”へと昇華し、ファーアウターはドレスやスカートへと変化するコンバーチブルデザインとして提案され、カジュアルなフーディには王冠を戴くようなエレガンスが漂う。さらに、マスキュリンとフェミニンの境界は曖昧化され、ドレスはトラックスーツのようにスタイリングされ、ボクサーシルエットは構築的なスーツへと進化する。オーバーサイズのレザーアウターは大胆でありながら身体の動きにしなやかに寄り添い、強さと自由の共存を体現する存在だ。
「ザ・ディボーシー」コレクションは、他者から与えられた華やかさではなく、自らの手で取り戻す揺るぎないグラマーの象徴とも言えるワードローブである。復讐と再生を同時に纏う女性の姿を、アレキサンダーワンならではの視点で鮮やかに映し出すコレクションとなった。
Copyright © 2025 Oui Speak Fashion. All rights reserved.