パリコレでのショーを目前に控え、バルマン(Balmain)は悲劇の渦中にいる。
9月16日(現地時間)、バルマンのクリエイティブディレクターであるオリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)氏は、自身のインスタグラムで、バルマンの未発表のコレクション約50着以上が盗難被害に遭ったことを伝えた。ルスタン氏の投稿によると、衣装を配送していたトラックが突然何者かのグループにハイジャックされ、盗難が発生したという。幸いにも、ドライバーは無事だった。
フランスのメディア、リベラシオンの伝えるところによると、強盗事件はパリの空港とバルマン本社の間で発生したとされている。
「今朝は笑顔で目覚め、午前9時から次のショーのフィッティングを始めていたら、配送が乗っ取られてしまいました。(トラックが)盗まれたのです。ドライバーは無事でよかったです。」とルスタン氏はキャプションに記し、「50着以上のバルマンが盗まれました。彼は空港からバルマン本社まで車で向かっていた。とても不公平です。私のチームと私は一生懸命働いていました。私たちは昼も夜も働き、サプライヤーも昼も夜も働くでしょう。何事も鵜呑みにせず、安全第一で行動してください。これが私たちが生きている世界なのです。」と事件の経緯を説明し、同時に深い悲しみを露わにした。
9月27日にパリ・ファッション・ウィークで2024年春夏コレクションの発表を予定し、エッフェル塔の近くでランウェイショーの開催を10日前に控えていたバルマンにとって、これはあまりにも痛ましくショッキングな出来事だ。
50着以上もの衣装を失ってしまい、予定通りコレクションの発表が行われるのかどうかという決断についてもブランドは問われていたが、ルスタン氏によると、彼のチームは失われたものを再現するために「昼夜を問わず」働く予定だという。
「私のバルマン・チームを愛しています。そして私たちは諦めません。」とその意思を締め括った。
オリヴィエ・ルスタン氏は、2011年にバルマンのクリエイティブ・ディレクターに就任して以来、ブランドを現代のハイファッションを代表する存在へと押し上げてきた。この最新コレクションが全部で何着あるのかは明かされていないが、窮地に立たされた今、ルスタン氏とバルマン・チームはどのようにこの逆境を乗り越え、輝かしいランウェイショーを見せてくれるのだろうか。この事件をきっかけにショーへの注目度が更に集まると共に、業界の著名人たちからは慰めのメッセージと熱いエールが届いている。