ベーザ(BEVZA)2026年秋冬コレクション「Milky Way」を発表

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ウクライナ発のブランド、ベーザ(BEVZA)が2026年秋冬コレクション「Milky Way」を発表した。本コレクションのタイトルは、天の川を意味するウクライナ語「Chumatskyi Shliakh(チュマツキー・シュリャフ)」に由来するものである。

歴史的に天の川は、単なる天体現象ではなく、15世紀から19世紀にかけて中央ウクライナから黒海やクリミアへと長距離を移動した塩商人「Chumaks(チュマク)」たちにとっての道しるべであった。彼らは幾月にもわたり広大な空の下を旅し、星を頼りに帰路を見出した存在である。

チュマクの精神を現代へ

ブランドはチュマクについて、次のように説明する。

「チュマクは、自由な道の民でした。商人であり、探検者であり、文化の担い手でした。何か月にもわたり大空の下を旅しながら、彼らは星を頼りに故郷への帰路を見出しました。天の川は彼らの地図であり、守護であり、沈黙の伴走者でもありました。それは『移動』『忍耐』『目に見えない先への方向を信じること』を象徴する存在です。」

ベーザはこの歴史的背景を、ミニマルで構築的な美学へと翻訳する。クリーンなシルエット、建築的な抑制、そして触覚的な素材使い。夜空を思わせるミュートなホワイト、深いブラック、柔らかな宇宙的トーンが、静かな強さを体現する。

コレクション全体を通して提示されるのは「道」という概念である。それは物理的な移動であると同時に、精神的な軌跡でもある。大地と空、伝統と現代を接続する装いの提案だ。

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文化的コード「フスカ」の再解釈

また、今季の象徴的なディテールの一つが、ウクライナの伝統的女性衣装の要素「hustka(フスカ)」の再解釈である。スカーフのような結び目を取り入れたパンツやドレス、構築的なジャケットなどが展開される。

フスカは「守護」「アイデンティティ」「継承」を象徴する存在であり、ベーザのコレクションにおいて繰り返し現れる文化的コードである。今季はそれを機能的かつ変容可能なデザインへと昇華し、伝統と現代を横断する。

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キーピース:「Zirky(ズィルキー)」セーター

さらに、同コレクションを象徴するのが、「Zirky(ズィルキー/星)」セーターである。チュマツキー・シュリャフを直接参照したこのニットには、ビスコースの廃材から生み出された星々が、一つひとつハンドアプライドで丁寧にあしらわれている。ゼロウェイストのアプローチを採用し、余剰素材を星座のように連なるテクスチャーへと昇華。静かな輝きを湛えた表面が、夜空の記憶を呼び起こす。

伝統的なアイスランドのロパペイサを再解釈したデザインは、職人的クラフツマンシップと現代的象徴性が交差する。かつて旅人を導いた星は、いま衣服の上で縫い留められ、触れることのできる天空の記憶として再構築される。

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交易の記憶を宿すアクセサリー

アクセサリーも重要な位置を占める。アイコニックな「コサ(Kosa)」バッグの新作に加え、塩の結晶を模したネックレスやイヤリングが登場。これらは歴史的交易路へのオマージュであり、星に着想を得たジュエリーは天体航行の記憶を呼び起こすものだ。

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極限状況下での制作

なお、ウクライナ国内で制作された同コレクションは、過酷な状況下の中で生み出されている。キャンペーンはポーランドにて『ヴォーグ・ポーランド(Vogue Poland)』チームによって撮影され、スタイリングはカシア・ミオドゥスカ(Kasia Mioduska)が手がけた。

ブランドは、「本コレクションは、ウクライナにとって最も困難な時期のひとつに国内で制作されました。停電や絶え間ない不確実性という極限状態の中で生産されたにもかかわらず、そのプロセスは精密さ、クラフツマンシップ、そして強靭さに根ざしています」と語る。

困難な環境下においても揺るがぬ姿勢。その精神こそが「Milky Way」の核なのだ。

ベーザ 2026年秋冬コレクションの全てのルックは、以下のギャラリーから。

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