ドリス ヴァン ノッテン(Dries Van Noten)の華麗なるフィナーレ : 歴史的なショーで40年のキャリアに幕

Dries Van Noten
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6月22日(現地時間)、ドリス ヴァン ノッテン(Dries Van Noten)は、パリ ファッションウィーク メンズウェア期間中、2025年春夏メンズウェア・コレクションを発表した。

メゾンの創業者でありクリエイティブ・ディレクターのヴァン・ノッテンは、このコレクションをもってその座を退任し、約40年間の歴史に幕を下ろした。

ヴァン・ノッテンが最後のショー会場に選んだのは、パリ北部のラ・クールヌーヴ地区に位置する巨大な工場の跡地。ショーの開始前には、1時間ほどのレセプションパーティーが行われ、そこにはヴァン・ノッテンと共に「アントワープ6人衆」と呼ばれていたアン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)とウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)の姿もあった。その他にも、ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)、トム・ブラウン(Thom Browne)、アレクサンドル・マテュッシ(Alexandre Mattiussi)などの多くの著名なデザイナーらが、ヴァン・ノッテンの歴史的瞬間を見ようと駆け付けた。

これまで切磋琢磨してきた業界の友人らを始め、メゾンを愛するファンたちは、彼が築き上げてきた一つの章が終止符を打つと思うと、様々な想いが交差したに違いない。

「私の夢はファッション界で発言力を持つことでした。その夢は叶いました。これからは、私がこれまで時間を割けなかったすべてのことに集中したいのです」と、ヴァン・ノッテンはこれまでを振り返り語る。

厳粛なムードの中でショーが開始すると、銀箔が散りばめられた煌めくランウェイで、ウィメンズ16ルック、メンズ53ルックの全69ルックが披露された。

最初にランウェイを歩いたのは、1991年のドリス ヴァン ノッテンのショーでオープニングを飾った、モデルのアライン・ゴッスアン(Alain Goussin)だ。ゴッスアンは、黒のロングコートにカーキのパンツを合わせ、フラットサンダルで登場した。更に、洗練されたテーラードが美しいコートや、涼しげなシアー素材のトップスやパンツ、光沢を放つブロケード生地のシャツなどのルックが続く。

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オーバーサイズの花柄プリントシャツは、シワ加工を施したポリアミド生地のオーバーコートによって美しく引き立てられ、輝きを添えていた。イエロー、コラール、シルバーなどのネオンカラーがアクセントとなることで、単なるバカンスウェアで終わらない見事なアンサンブルに。

ショーの後半に差し掛かると、金箔と銀箔のシャツやパンツ、黒のダブルブレストのオーバーコートなどが登場し、フィナーレに相応しい煌びやかなムードでコレクションが締め括られた。

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ヴァン・ノッテンの退任は、ファッション界における一つの時代の終わりを意味するが、彼が築き上げた功績は永遠に語り継がれることだろう。ショーの終わりには、スタンディングオベーションが巻き起こり、会場全体が彼への感謝と敬意を表した。

この感動的な瞬間は、ヴァン・ノッテンが長年にわたり多くの人々に与え続けたインスピレーションと影響力の象徴だ。ファッション界は彼の次なるステップを見守り続けるだろう。

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ドリス ヴァン ノッテン 2025年春夏メンズコレクションの全ルックは、以下のギャラリーから。