3月3日(現地時間)、ガニー(Ganni)はパリ ファッションウィークにて、2026年秋冬コレクションをプレゼンテーション形式で発表した。
今シーズン、クリエイティブ・ディレクターであるディッテ・レフストラップ(Ditte Reffstrup)が着想を得たのは、彼女の故郷であるデンマーク北部・ヒアツハルスの厳しい冬だ。荒々しい風と海によって形づくられた風景の中で育つということは、自然を遠くから眺めるのではなく、その中で生きることを意味する。その原体験が、コレクション全体を貫く哲学や強さと脆さの共存を生み出した。
ワードローブに宿る二項対立
コレクションのルックを見ると、この哲学が衣服のディテールに至るまで丁寧に落とし込まれていることがわかる。チャンキーなニットウェア、ブランケットスカート、フェイクシアリングコートといった重厚感あるアウターが身体を包み込む一方、その内側にはレースやラッフル、ランジェリーを思わせるカッティングが重ねられている。
例えば、深みのあるバーガンディのダブルブレストコートの裾からこぼれ出る黒いレースのスカートや、全身を覆う白のラッフルドレスは、ガーリーでありながら力強い、ガニーらしい女性像を的確に体現する。


また、エンパイアラインやウエストコート、サスペンダーといった歴史的なアンダーウェアのモチーフを、重厚なウールや構築的なアウターウェアで包む手法も巧みだ。切りっぱなしのエッジや長く伸びたメタルのジッププラーが実用的なアクセントを加え、ただロマンティックに閉じた世界には留まらない。

カラーとプリントが語るムード
今シーズンのカラーパレットは、ブラウン、ベージュ、グレーといった大地や石を想起させるニュートラルカラーを基調に、グリーン、パープル、イエローが鮮やかなアクセントとして差し込まれた。
バーガンディとブラックのベルベットドレスは、裾から顔をのぞかせる白いラッフルによってランジェリーの記憶を呼び覚まし、”重さの中に宿る軽さ”というコレクション全体のテーマをひとつの着姿に凝縮する。マスタードイエローのパフスリーブジャケットとチェックスカートの組み合わせには、時代への愛着と、今この瞬間への確かな眼差しが共鳴している。


プリントはレオパードが拡大・再解釈されてダークなベースに展開され、フローラルやチェックと大胆にレイヤードされていた。深いチョコレートブラウンのシアリングカラー、レオパード柄のドレス、ニットのブーツカバーが組み合わさると、野性的でありながら女性的な世界観が完成する。

進化するアクセサリーと持続可能性
バッグには「Very Bou Bag」の新シルエットが登場し、フラップクロージャーにガニーバタフライロックを配した「Kat Shoulder Bag」はフェイクシアリング仕上げで再登場した。
「Jenny High Boot」は前シーズンのバレリーナシューズのDNAを継承しながら、折り返しの履き口とスタッズトリムを加え、よりスラウチーなシルエットへと進化。スタッズ付きのフラットシューズはコレクション全体を通じて多くのルックに登場し、ガニーらしいエッジを効かせていた。


なお、ブランドは、B Corp再認証に続きサステナビリティへのコミットメントも継続。「Fabrics of the Future」イニシアティブのもと、オレンジやオリーブオイルの生産副産物から生まれたレザー代替素材「Ohoskin®」「Oleatex®」、廃棄された海洋漁網から再生されたナイロン「InResST®」がパファージャケットやソフトアクセサリーに採用されていた。美しさと責任を同時に追い求めるというブランドの姿勢は、今シーズンも一貫している。
強さとしての「ハイパーフェミニニティ」
「自然のすぐそばで生きると、強さと美しさは同時に存在できると学びます」とレフストラップは語る。彼女がインスピレーションの源として挙げる女性たち(作家、ミュージシャン、アーティスト)は、いずれも強さと優しさを同時に宿し、女性らしさを狭い定義に押し込めることを拒んできた人々だ。
このコレクションは、そうした思想の服による結晶化である。ガニー 2026年秋冬のウーマンは、重さも軽さも、強さも繊細さも、そのすべてを纏うことを恐れない。
どちらかを選ぶのではなく、その交差点に立つことを選んでいる。そしてその場所こそが、彼女の力の源なのだ。
ガニー 2026年秋冬コレクションの全てのルックは以下のギャラリーから。
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