米グーグル(Google)は、インドの巨大Eコマース・モールである「フリップカート(Flipkart)」の価値を370億ドルと評価し、3億5000万ドルを出資する。
伝えられるところによると、フリップカートの筆頭株主であるウォルマート(Walmart)が今回の資金調達ラウンドを主導し、グーグルは少数株主として参加する。またこの出資には、独占禁止法およびその他の規制当局の承認が条件だというが、これに関しては問題なく進行すると予想されている。
フリップカートは声明で、「グーグルが提案する投資とそのクラウド連携は、フリップカートの事業拡大と、全国の顧客にサービスを提供するためのデジタル・インフラの近代化を進めるのに役立つでしょう」とコメントした。
インド国内最大級のEコマースモールであるフリップカート
フリップカートは、2007年にサチン・バンサル(Sachin Bansal)とビニー・バンサル( Binny Bansal)によって設立された、インド国内最大級のEコマース・モールだ。二人は元々、インド工科大学デリー校の同窓生として出会い、その後アマゾンの正社員として働いていた。
フリップカート設立から11年が経過した2018年、米国の巨大小売業者のウォルマートは、同社の株77%を160億ドルで取得。また2021年7月には、ソフトバンクグループ(SoftBank Group Corp.)やシンガポールファンド等が36億ドルの出資をした。
更に2023年12月、ウォルマートは同社に6億ドルを出資している。したがって、今回のグーグルの出資は、昨年末のウォルマートの出資に続くもので、10億ドル規模の資金調達ラウンドの一環である。またフリップカートにはIPOの可能性も囁かれており、今月初めにウォルマートの幹部がフリップカートの新規株式公開の適切な時期を「探し、模索している」と語った。
現在、同マーケットプレイスの登録顧客数は5億人を超える。また、80以上のカテゴリーにわたって1億5,000万以上の商品が提供されている。
このようにウォルマートの支援を受けて以来、同社はインドでアマゾンと競合するEコマース企業として、目覚ましい成長を遂げてきた。しかし、この新たな資本とグーグルとの技術協力の強化により、フリップカートの市場での地位は更に強化され、世界的なライバルとの競争力を高めることができるだろうと期待されている。