グッチ(Gucci)2026年秋冬コレクション:デムナが描く新たな神話

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2月27日(現地時間)、グッチ(Gucci)は、デムナによる初のランウェイショーとなる「Gucci Primavera コレクション」を、ミラノ ファッションウィークにて発表した。

会場となったのは、大理石の彫像に囲まれた記念碑的なミュージアム空間。古代ギリシャ・ローマの遺産を思わせる柱廊と、スポットライトに浮かぶ白い彫像が、圧倒的な静寂と荘厳さをもって来場者を迎えた。

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会場には女優のデミ・ムーア(Demi Moore)やブランドアンバサダーのココナ(COCONA / XG)、グローバル・ブランドアンバサダーのリノ(Stray Kids)、ニンニン(aespa)をはじめ、パク・ギュヨン(Park Gyu Young)、ジェイ・パーク(Jay Park)、三吉彩花(Ayaka Miyoshi)といった豪華なセレブリティが集結。ショー前から場内には静かな熱気が漂っていた。

サウンドはロキ(loki)がキュレーションした5つの異なるジャンルの音楽をひとつの美学へと融合したもの。視覚と聴覚の両面から、デムナが描くグッチの世界観が構築された。

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ブランドアンバサダー COCONA

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ニンニン
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三吉彩花

白から始まる物語

コレクションは、ホワイトのホージャリー素材で仕立てた究極のシームレス ミニドレスから始まった。ファム・ファタールのムードをまとったその一着は、ショーの幕開けにふさわしい、宣戦布告のような一着だった。

続いて、グレーのスパゲッティストラップ ミディドレスや、黒のシングルボタン ジャケットにスリムパンツを合わせたスマートなルックが現れる。ひとつのジャケットをスカート、レギンス、パンツと組み合わせ、オフィスからバーまでを横断するスタイリングの提案は、グッチが語りかける対象の広さを体現するものだ。

メンズは、鍛え上げられた肉体をそのままシルエットに転写するような、ブラックのレザー調フィットTシャツにGGバックルのベルトを合わせたルックが続く。布が皮膚に張り付くような密着感は、コレクション全体を貫く”身体への賛歌”というテーマと鋭く呼応する。一方で、オールブラックのオーバーサイズ スーツや、胸元を大きく開けたサテン調セットアップも加わり、強さと色気が共存する男性像を多角的に提示してみせた。

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身体に寄り添うシームレスなテクノロジー

同コレクションの核心にあるのは、身体との対話だ。熱圧着仕上げによる見えないエッジ、カーブを描くヘムライン、肌に限りなく寄り添うシームレス構造。それは技術の誇示ではなく、着る人のボディを美しく見せることへの、純粋な執念だ。

トラックスーツとドレスを融合したモダンなトラックドレス、レギンスとパンツが一体化したデザイン、ジャケットとトップスをひとつにした超タイトな一着など、デムナが長年追求してきた「ウェアの新たな形」の探求が、今回グッチという舞台で新たな文脈を獲得した。

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彫像から生まれたアドニスたち

ショー後半に登場したのは、会場の彫像たちへの直接的なオマージュだ。ギリシャ彫刻のようにドレープをまとったホワイトのTシャツとルーズパンツ、そして《ヴィーナスの誕生》を想起させるホワイトのスレンダーなドレス。ルネサンスが理想とした均整のとれた肉体美を現代ファッションへと翻訳した「アドニス ルック」は、同コレクションにおける最も詩的な章といえる。

白の彫像的なルックから一転した、シルバーのメタリック素材で全身を包んだルックは、ランウェイを歩く人体そのものを彫像化するかのよう。現代の神話が、そこに生まれていた。

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レザー、ファー、そしてストリートのムード

一方で、よりコマーシャルなゾーンも見逃せない。バイカージャケット、タイトなバブルブルゾン、ボリュームのあるフェザーで縁取られたボンバージャケット。フェザー素材は着る人の顔まわりを縁取るように広がり、存在感と柔らかさを両立している。

ローウエストのジャケットやパンツにはストリートのムードが宿り、ジーンズを基軸としたカジュアルなルックにも、グッチらしい上質さが滲む。毛皮のトリムが施されたホースビット ローファーや、GGモノグラムのブーツといったフットウェアの選択も、コレクション全体に有機的な連続性を与えていた。

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アクセサリー:アイコンの再定義

アクセサリーでは、アイコニックなグッチ バンブー 1947がよりスリークなフォルムへとアップデートされ、複数のレザーを組み合わせた柔軟なバンブーハンドルを備えた。アーカイブのクラッチバッグはスマートフォンと必要最低限のアイテムが収まるコンパクトサイズへと再解釈されている。

フットウェアでは、デムナにとってグッチでの初スニーカーとなる「マンハッタン」が登場。ミニマルなバスケットシューズのシェイプにローファーのようなスリッポンの軽快さを融合した一足は、スポーツとドレスの境界を軽やかに越えていく。「ジョヴァンニ」と「クパチーノ」ローファーはレザーシューズにありがちな硬さを排除した柔らかな履き心地を実現している。

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フィナーレ:神話の終幕

この神秘的なショーの締めくくりを飾ったのは、ケイト・モス(Kate Moss)だ。黒のタートルネックを備えたシマーブラックのロングドレスは、フロントこそ端正なシルエットを保ちながら、バックが大きく開き、GGロゴのタンガを露わにするという大胆な仕掛けを持つ。

グッチのランウェイに彼女が立つのは、トム・フォード全盛期の1990年代以来、約30年ぶりのこと。デムナがこのコレクションに「90年代グッチの再解釈」という文脈を込めていたとすれば、そのフィナーレにケイト・モスを選んだのは、これ以上ない答え合わせといえる。52歳にして少しも揺るがぬランウェイの存在感が、会場の空気を一変させた。

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デムナ自身はコレクションについて「大理石の彫像に囲まれた記念碑的でミュージアムのような空間でコレクションを発表することは、私がこの卓越したブランドをどう捉えているかを表すものです」と述べている。

また次のように語る。

「本コレクション、そして私が描くグッチのヴィジョンの根幹にあるのは、実践的な精神です。誰もが楽しめて、日常を豊かにし、身につけるだけで高揚が高まるアイテム。小難しい説明を必要とせず、そのものが魅力を放つ存在であることです。」

彫像の前でショーを開いたデムナの言葉は、このコレクション全体の答えでもある。グッチとは、時代を超えながらも、今この瞬間に生きる人々のものでなければならない。ケイト・モスがランウェイの端で振り返ったとき、その問いはすでに解かれていた。

グッチ 2026年秋冬コレクションの全てのルックは、以下のギャラリーから。