マイケル コース(Michael Kors)2026年春夏コレクション:砂漠の息吹と都会の洗練が交差する“アースリー・エレガンス”

Michael Kors
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9月11日(現地時間)、マイケル コース(Michael Kors)はニューヨーク・ファッションウィークの幕開けを飾り、2026年春夏コレクションを披露した。フロントロウにはグウィネス・パルトロー(Gwyneth Paltrow)、オリヴィア・ワイルド(Olivia Wilde)、スキ・ウォーターハウス(Suki Waterhouse)、アリアナ・デボーズ(Ariana DeBose)らが並び、華やかな熱気に包まれた。

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会場となったチェルシーのターミナル・ウェアハウスは、ウッドパネルやテラコッタの装飾、そびえ立つサボテンや自然を思わせる彫刻的要素で彩られ、都会の中心に砂漠の空気を呼び込む。デザイナー自身のビーチハウスから着想を得たというこの空間は、今季のテーマ“アースリー・エレガンス”を象徴的に映し出していた。

「シンプルな真実は、エスケーピズムは私たちを大いに助けてくれるということです」とコースは語る。「旅をすると自分自身や他者、そして人生について学ぶことができます。私たちを常に圧倒するのは自然ですが、それをエレガンスと洗練さで調和させること──それがこのコレクションで伝えたいすべてなのです。」

気候変動や社会の不安定さが増すなかで、私たちが本当に求めているのは現実からの単なる逃避ではなく、日常に寄り添う「もうひとつの風景」だ。コースはその答えを砂漠というシンボルに託し、自然が持つ荒々しさと美しさを都会的な洗練と溶け合わせて提示している。その姿には、装いを通じて人々を新たな視点へと導く『ファッションの本質』が映し出されているのだと、強く実感させられる。

2026年春夏コレクションのランウェイを彩ったのは、軽やかさとリラックスした官能性を兼ね備えたルックの数々。セバスチャン・ペラン(Sebastien Perrin)が手掛けた音楽に合わせ、リキッドドレーピングやソフトテーラリングを軸としたパレオ、パジャマ、ドレープの効いたキュロットが登場した。また、歩みとともに風をはらむカフタンや流麗なチュニック、透け感を帯びたシルクヴォイルに包まれたパイエットが、シーズンの軽快なムードを際立たせていた。

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またスーツルックは、今季の“アースリー・エレガンス”を体現する重要なピースとして登場。ジャケットはラペルを省いたミニマルなデザインから、オーバーサイズのダブルブレストまで幅広く展開され、軽やかに肩を落としたシルエットがリラックス感を漂わせる。

一方で、ショーツやワイドトラウザーと組み合わせることで、従来のビジネススーツの堅さを解きほぐし、日常に取り入れやすいスタイルへと昇華していた。インナーにはブラトップやシアー素材を合わせ、マスキュリンな仕立てとセンシュアルなニュアンスを巧みに融合させている。まさに“都会で纏うリゾートスーツ”とも呼べる提案だ。

カラーパレットはブランチやエスプレッソ、エクリュといったアースカラーを基調に、パロミノ、カシュー、クォーツ、グアバといったサンセットトーンを重ね、春の訪れと自然の移ろいを優美に映し出していた。

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アクセサリーでは、イヤリングやバッグにあしらわれた長いフリンジが、軽やかなリズムを生み出しながら、衣服の流れるようなドレープと美しい呼応を見せる。またバッグは編み込みレザーのマーケットバッグやフリンジ付きのクラッチ、メッシュトートなど多彩に展開され、いずれも旅先から都会まで幅広いシーンで存在感を放つ仕上がりに。

さらに、オーバーサイズのペンダントトップやレザーを用いた構築的なデザインのネックレスが加わると、クラフト感と洗練さがかけ合わさり、シンプルなドレスやジャケットに力強いアクセントを添えた。足元は、フラットサンダルからヒール付きミュールまで幅広い種類のシューズでスタイリングがなされ、装飾的なアクセサリーと調和しつつも、日常に寄り添う機能性も兼ね備えられていた。

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2026年春夏コレクションでマイケル コースが体現したのは、自然の息吹と都会的な洗練を融合させた新たなエスケーピズムの形である。砂漠の静けさと都市のダイナミズムを同時に纏うその服は、優雅でありながら力強く、今季を象徴する存在として鮮やかに刻まれた。

マイケル コース 2026年春夏コレクションのすべてのルックは以下のギャラリーから。

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