パンドラ(Pandora)、ラボグロウン・ダイヤモンドの新コレクションを発表

Pandora

ジュエリーブランドのパンドラ(Pandora)は、ラボグロウン・ダイヤモンドを使用した3つの新しいジュエリー・コレクション「Pandora Nova」、「Pandora Era」、「Pandora Talisman」を発表する。米国を始めとした、カナダ、英国、オーストラリアの700以上の店舗とオンラインショップで8月31日から発売が開始する。一部のコレクションは10月からメキシコとブラジルの店舗で販売され、その他の市場では2024年初めに販売される予定。

同社が初めてラボグロウン・ダイヤモンドに参入したのは約1年前のこと。リング、ネックレス、バングル、イヤリングを揃えたラボグロウン・ダイヤモンド・ジュエリー33点のコレクション「ブリリアンス」を発表し話題を呼んだ。それと同時に、同社が今後、採掘された従来のダイヤモンドの使用を中止する、というニュースも伝えられた。

現在パンドラは「ダイヤモンドの民主化(democratize diamonds)」という新しいミッションを掲げ、ラボ・グロウン・ジュエリーに加え、2025年までにリサイクル・シルバーとリサイクル・ゴールドのみを使用することを目指しているという。ラボグロウン・ダイヤモンドも100%再生可能エネルギーで作られている。

無色に近いラボグロウン・ダイヤモンドを0.15カラットから1カラットの重さで、14カラット・ホワイトゴールド、14カラット・イエローゴールド、スターリングシルバーにセットした3つの新コレクションは290ドルから販売される。

パンドラのCEOであるアレクサンダー・ラシック(Alexander Lacik)は声明の中で、「北米と英国の消費者はラボグロウン・ダイヤモンドを歓迎しており、私たちはコレクションと流通を拡大することで、世界中のより多くの人々がラボグロウン・ダイヤモンドにアクセスできるようにしていきます。私たちは、高品質で手頃な価格のジュエリーを、非常に高いレベルのクラフトマンシップで提供するという使命に沿い、このカテゴリーに大きな野心を持っています」とコメント。

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Courtesy of Pandora

パンドラは第2四半期決算報告でガイダンスを引き上げた。オーガニックグロースは2%から5%の範囲になると予想されている。また、ダイヤモンド製品の品揃えの拡大と、新しいストアコンセプト「Evoke 2.0」の展開を継続することを発表した。

これに対し、ラシック氏は、「マクロ経済の不確実性を背景に、当四半期も堅調な業績を達成できたことを嬉しく思う」と述べ、ダイヤモンドの品揃えの拡大や、新しい店舗コンセプト『Evoke 2.0』の継続的な展開など、2023年後半以降の戦略的イニシアチブを引き続き推進することに言及。同社はこれまでの堅調な業績を踏まえ、ガイダンスを更新し、今年も有機的なプラス成長を見込んでいるようだ。

年々、ラボグロウン・ダイヤモンド事業に参入する企業は増加している。ラボグロウン・ダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと全く同じ素性・性質を持つにも関わらず、本来のダイヤモンドよりも3分の1の価格で販売されていることから、多くの消費者を惹きつけている。また、ラボグロウン・ダイヤモンドには、しばしば天然ダイヤモンドの採掘で問題視される人権問題や、天然ダイヤモンドの地下採掘時のように大量の水を使用するということもなく、エシカルだという観点からも注目が高まっている。

アメリカではダイヤモンド大手ジュエリーブランドのデビアス(De Beers)が2018年にラボグロウン専門ブランド「ライトボックス ジュエリー」の販売を開始。また、ジュエリーブランドのケンドラ・スコット(Kendra Scott)は2022年5月、ラボグロウン・ダイヤモンドのエンゲージリング11点コレクションを発表した。

昨年6月には、LVMHが擁する投資ファンドのLVMHラグジュアリー・ベンチャーズとその他の支援者が、イスラエルのラボグロウンメーカーであるルシックス(Lusix)に9000万ドルを投資。この資金は、需要に対応するための2つ目の太陽光発電生産施設の建設に充てられた。