パリコレ速報!パリファッションウィークで話題になったニュース総まとめ

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パリ現地時間の2022年9月26日(月)から10月4日(火)に渡り、世界4大ファッションコレクションであるパリ・ファションウィーク(通称 パリコレ)が開催された。

新型コロナウイルスの影響で2年間制限された中で行われていたパリでのファッションウィークだが、今季は多くのリアルなランウェイショーが再開し、世界中から多くのゲストが集結した。

そんな中でも今季のパリコレに熱烈な印象を与えたニュースをまとめて一挙公開しよう!

ヌードで登場したベラ・ハッディットに、コペルニが創り上げたスプレードレス

今シーズン、ファッション史の歴史上に残るパフォーマンスを行なったのが、コペルニ(Coperni)だろう。

ショーツだけを身につけランウェイに登場したモデルのベラ・ハディッドに二人の男性がスプレーをかけていくと、なんとも優雅な一枚の白いドレスに早変わりする様子は、インスタグラムやTiktok、ツイッターで拡散され、瞬く間にバズを産んだ。固まったスプレー部分に1人の女性が手を施し形を整えていくと、ショルダー部分は綺麗なオフショルダーとなり、またスタートはハサミでスリットが入れられ、最終的に白いタイトなアシンメトリードレスが完成した。

このドレスには、空気に触れるとすぐに固まり着用可能なテキスタイルになる特許素材「ファブリカン」が使用されている。

デザイナーのセバスティアン・メイヤーとアルノ・ヴァイヤンはショーのプレスリリースに、「自分のボディを超越し、倫理観という有刺鉄線を前にしても決して視線を落とさず前をじっと見る女性たちのために」と綴り、このショーを「この世界に生きる女性」に捧げたものと表現した。

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Photo: Estrop/Getty Images

今年のファッションウィークでは、多くのデザイナーが新たな取り組みとしてWeb3へ参入しフィジタルなランウェイを発表する中、コペルニはこうした科学的イノベーションを通じて実験的なショーを披露し、間違えなくクリエイションにおける未来の可能性を切り拓いたと言えるだろう。

また、モデルのベラ・ハディットは元々Z世代のファッションアイコンとして人気を誇っていたが、このショーでさらにモデルとしての実力を発揮し、彼女の美しさと佇まいには多くの人が魅了された。

76歳のシェール、バルマンのショーのフィナーレを飾る

バルマン(Balmain)が発表した新コレクションは、紙やバナナ、籐、栗の木の樹皮など出来るだけサステナブルな素材を使って作られたアイテムが多く登場。

また慈善団体への寄付を条件に、約1万枚のチケットが一般公開され、セレブやファッションエディター、インフルエンサーだけでなく一般人もショーへゲストとして参加することが出来た為、ショーには約7000人のゲストが来場し、「バルマンフェスティバル」と題した壮大なスペクタクルショーの中で、100体を超えるルック数が発表された。

そんな盛大なショーのフィナーレを飾ったのは、今年76歳を迎える元祖歌姫のシェールだ。彼女は長年彼女はファッションアイコンとしても知られている。

シェールはボディコンシャスな近未来的なキャットスーツに身を包み、デザイナーのオリヴィエ・ルスタンと共にランウェイへ登場した。そんな彼女から溢れるエイジレスでパワフルなオーラに観客は圧巻されたのだった。

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Photo: Getty Images

シェールはバルマンのショーに出演できた喜びを「ステージで最高の時間を過ごしました!気分はもう最高!ショーはおそらくこれまでで史上最高のショーです。モデルたちは他の惑星から来た美しさ。服は本当に素敵だったし、オリビエも非常に素晴らしかった。ステージが私に『シェール、帰っておいで』と呼んでいたのが、私には聞こえていました。」と自身のアバターを添えてツイートした。

ヴィクトリア・ベッカムがパリコレデビュー

今回の初のパリ・ファッションウィークへの参加となったヴィクトリア・ベッカム(Victoria Beckham)。

その記念すべきパリ・ファッションウィークデビューには、デビッド、ロメオ、クルス、ハーパー・セブン、そして新婚のブルックリンとニコラ・ペルツ=ベッカムを含むベッカム一家が、応援に駆けつけた。

ヴィクトリア・ベッカムと義理娘であるニコラ・ペルツの間には、ブルックリンとの結婚式の日にニコラがヴィクトリアのブランドのドレスを着なかったことから、これまで不仲説が浮上していた。しかし、今回のショーのバックステージではニコラがヴィクトリアの肩に手を置き、ブルックリンとハーパーを交えて記念撮影をするシーンが目撃され、2人の不仲説は見事に払拭された。

またショーのフロントローには、イギリスのVogue編集長であるエドワード・エニンフルとアメリカVogue編集長のアナ・ウィンターに混ざる形で、ベッカム一家が座るというなんとも豪華すぎる絵となった。

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Darren Gerrish/WireImage for Victoria Beckham

 

イッセイミヤケ 故デザイナー、一生三宅氏への追悼を捧げる

今回2年半ぶりにパリでショーを開催したイッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)。今年8月にデザイナーの三宅一生氏が亡くなって以来初のショーになった。

ショーの開始前には、会場のスクリーンに三宅一生の写真と「私はデザインには希望があると信じている。デザインは、人々の驚きや喜びを呼び起こすものだ。」という三宅氏の言葉が映し出され、ジョン・レノンの名曲「イマジン」とともに故人を偲ぶ時間が設けられた。

今シーズンのテーマは、「A Form That Breathes-呼吸するかたち-」。三宅氏が追求にしていた「一枚の布」というコンセプトに通じる、彫刻からインスピレーションを受けたコレクションが発表され、一枚の布のドレーピングで立体的に表現されたシルエットの服などが登場。

ショーの後半では、夢のような雰囲気の中で、薄く軽やかな衣装を着たコンテンポラリーダンサー達がしなやかに舞うというイッセイミヤケ独特のスタイルでフィナーレを飾った。

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Photo: Estrop/Getty Images

カニエ・ウエストがWhite Lives Matter Tシャツで大炎上 ファッション業界でも批判広がる

イェ(Ye) こと カニエ・ウェストは、今月3日に今回で9回目となるYEEZYの最新コレクション「Season 9」のランウェイショーを開催した。このショーは、イェの前説で幕を開け、その後ナオミ・キャンベル、ミシェル・ラミー、ジェイムス・ブレイク、ローリン・ヒルやローハン・マーレーの娘であるシーラ・マーリーといったモデルたちが、特徴的なモノトーンのオーバーサイズのルックを身にまとってランウェイに登場した。

そんな中今回大炎上を起こしたのが、このショーで発表された「White Lives Matter」と書かれたTシャツだ。これは黒人の命の大切さを訴えるストーガンである「Black Lives Matter」を文字って作られた白人至上主義を助長するヘイトスローガンである。デザイナーのカニエと並び、シーラ・マーリーを含む、ショーに出演した何人かのモデルたちも問題のTシャツを着用しており、また保守派コメンテーターのキャンディス・オーウェンズも同じシャツを着て、イェと並んで撮影した写真をツイッターに投稿していた。

これに対し、多くの業界関係者、セレブリティからは多くの批判の声が大殺到。

特にUS版『VOGUE』エディター兼スタイリストのガブリエラ・カレファ•ジョンソンは、「また、でたらめ。発狂しそう。許しがたい行為です」とその怒りを露わにしカニエの行為を大きく批判した。また同じくファッションエディターのリネット・ナイランダーも自身のインスタグラムで、「意図が何であろうと関係ありません。10歳以下に見える子どもたちで構成された合唱団も同様に、間違った文脈で大衆に認識されてしまうでしょう。彼は自分のやっていることが、子どもたちに有害だと知っているはずです」と主張した。

俳優ウィル・スミスの息子のジェイデン・スミスは、自身のツイッターで「カニエの言うことは支持できない。彼は若者たちから完全なサポートを受けていない」とツイート。このショーに出席していたが、途中で切り上げたことを示唆した。またジェイデンはその後も、「共感できないメッセージは、誰のものであろうと興味はありません」「Black Lives Matter」など、カニエの思想に反対を示すツイートを連続で投稿した。