ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)がヴァレンティノを退任へ

3月22日(現地時間)、ヴァレンティノ(Valentino)のクリエイティブ・ディレクターであるピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)の退任が明らかになった。ピッチョーリの後任は近日中に発表される予定である。

1999年にヴァレンティノに入社し、アクセサリー部門を担当してきたピッチョーリ。2008年には、現在ディオールのクリエイティブ・ディレクターを務めるマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)と共に、共同クリエイティブ・ディレクターに任命され、2016年にはヴァレンティノの単独クリエイティブ・ディレクターに就任した。

その長いヴァレンティノでの旅に終止符を打つピッチョーリは、WWDの取材に対して次のようにコメント:「全ての物語に始まりや終わりがあるわけではなく、影を作らないほど明るく輝く永遠の今を生きるものもある。私はこの会社に25年間在籍し、25年にわたり私そして私たちのものであるこの美しい物語を織りなしてきた人々と共に存在し過ごしてきた。私が出会い、共に働き、夢を分かち合って美を創造した人々、そして、全ての人の属し不変で形あるものを築き上げた人々のおかげで、全ては存在している。この愛と夢と美と人間らしさに満ちた財産を、私は今日も、そして永遠に大切にしていく。」

さらに、「私たちが創り出した美とは、世界のあらゆる可能性、特に一人では想像もできなかったような可能性を与えてくれる人生、希望、機会、感謝、そして私の人々、私の心、そして愛。ヴァレンティノさんとジャンカルロ・ジャンメッティ(Giancarlo Giammetti)さんの信頼に感謝し、さまざまな点でこれを可能にしてくれた全ての人々に感謝している。私の旅路と夢を皆と分かち合えて光栄だった」と続けて述べた。

ヴァレンティノの最高経営責任者であるヤコポ・ヴェントゥリーニ(Jacopo Venturini)は、「クリエイティブ・ディレクターとしてのピエールパオロの役割と、メゾン・ヴァレンティノを今日の地位に押し上げた彼のビジョン、コミットメント、創造性に感謝しています」と声明でコメント。

また、ヴァレンティノの会長であり、ブランドを統括するカタールの投資ファンド、投資会社メイフーラ・グループ(MAYHOOLA GROUP)の最高経営責任者であるラチッド・モハメド・ラチッド(Rachid Mohamed Rachid)も「メゾン・ヴァレンティノの歴史に重要な一章を刻んでくれたピエールパオロに深く感謝します。」と述べ、「彼の25年にわたる貢献は、忘れがたい足跡を残すことでしょう」と締め括った。

数日前には、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)がクリエイティブ・ディレクターを6月に退任することを発表し、ファッション業界に衝撃が走ったばかり。ラグジュアリー・メゾンの人事の入れ替えが相次ぐ中で、ヴァレンティノの次期クリエイティブ・ディレクターにも注目が集まる。

なお、昨年ケリング(Kering)は、17億ユーロでヴァレンティノの株式の30%を取得した。この契約には、2028年までにケリングがヴァレンティノの株式資本100%を取得するというオプションも含まれている。

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