ラルフ ローレン(Ralph Lauren)2026年春夏コレクション─ 強さと官能を映すモダン・エレガンス

Ralph Lauren
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9月10日(現地時間)、ラルフ ローレン(Ralph Lauren)は、ニューヨークファッションウィークの開幕に先駆けて、2026年春夏コレクションを発表した。

会場は、マディソンアベニュー本社「650番地」のショールーム。ブランドにとってのこの「ホームグラウンド」には、ローラ・ダーン(Laura Dern)、ナオミ・ワッツ(Naomi Watts)、ジェシカ・チャステイン(Jessica Chastain)、オプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)、ゲイル・キング(Gayle King)といった豪華な顔ぶれが駆けつけ、ショー開始前は華やかな緊張感に包まれた。

強さとセンシュアリティの同居

今季のラルフ ローレンを定義するのは、「強さ」と「センシュアリティ」の二面性だ。ショーの幕開けを飾ったのは、オフホワイトのロングガウンにブラックのブラトップを合わせたスタイリングと、赤のコルセット仕立てのサンドレス。いずれも媚びない力強さを放ちながらも、揺れるヘムラインには女性らしい柔らかさが漂う。またそこにワイドブリムの麦わら帽子が加わることで、クラシックな夏のムードがドラマティックに刷新されていた。

デザイナーのラルフ・ローレン(Ralph Lauren)は、半世紀以上にわたり家族とともに過ごしてきたハンプトンズから自然の美とタイムレスなエレガンスを汲み取り続けているが、今回のバカンス的要素もまた、昨年同地で披露された2025年春夏ショーの延長線上にあるようだ。

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一方で、メンズウェア由来の構築的な強さを女性像に投影したルックも多数披露され、精緻なテーラリングが際立った。随所に登場した白のスーツ群は、ポロコートやトレンチを現代的に再解釈し、機能性とエレガンスを兼ね備えたシルエットを提示した。

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イブニングルックでは、レッドとブラックを基調に、流麗なプリーツやアシンメトリーなカッティングが目を引く。ワンショルダーのガウンは、身体を包み込むドレープとウエストのカットアウトが官能的なバランスを生み出し、舞台上を歩くたびに存在感を放つ。さらに、繊細なスパンコールを全面に施したブラックドレスは、動きに合わせて光を反射し、アートピースのような迫力を見せつけた。

ショー中盤には、40年代を思わせる大柄フローラルプリントのドレスや、軽やかに流れるチュニックシャツドレスも登場。ストレッチレザーをラッフルに仕立てたビスチェや、まつ毛ほどに細いレザーで刺繍を施したリネンのスカートスーツなど、革新的な素材使いも披露され、ノスタルジーとモダニティを巧みに融合させるラルフ ローレンならではの視点が息づいていた。

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さらに、今季のスタイリングを印象的に仕上げたのが、大ぶりで存在感のあるアクセサリーだ。たとえば、光沢を放つメタリックのペンダントは、シンプルな白のジャケットに彫刻的な奥行きを与え、胸元に視線を集めた。

バッグには、編み込みと表面加工を施した新たな「The Ralph」がレザーのバリエーションで登場し、クラフツマンシップとモダニティの融合を実現。足元にはブローグ、エスパドリーユ、編み上げサンダルと多彩な選択肢が用意し、リラックス感と洗練さがバランスよく取り込まれていた。

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メンズウェアの伝統をベースにしつつ、女性像の持つ多面性を鮮やかに描き出したラルフローレンの2026年春夏コレクション。そこにあるのは、強靭さと官能、クラシックとモダン、シンプルさと装飾性。こうした全てを包含することで、ラルフ ローレンは改めて“アメリカン・ラグジュアリー”の象徴であることを証明したのだった。

また、同日には「2025年 CFDA ファッション・アワード」のノミネーションが発表され、ラルフ・ローレンがウィメンズウェア部門に選出された。過去に9度の受賞歴を持つ彼が再び栄冠を手にすれば、通算10回目となり、業界における歴史的な記録となる。

ラルフ ローレン 2026年春夏コレクションのすべてのルックは、以下のギャラリーから。

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