3月15日(現地時間)、ヨーク(YOKE)は楽天ファッションウィーク東京にて、ブランド初となる2026年秋冬ウィメンズコレクションを披露した。会場は東京・渋谷ヒカリエ。
昨年「FASHION PRIZE OF TOKYO 2026」を受賞し、今年1月にパリで初のメンズコレクションを発表したヨークにとって、今回のウィメンズライン始動はブランドの新たな章の幕開けといえる。
テーマは「Beyond Form(フォームを超えて)」。インスピレーション源として挙げたのは、シュルレアリスムを代表する芸術家、ジャン・アルプ(Jean Arp)だ。「自然界に直線はない」という彼の哲学に基づき、デザイナーの寺田典夫は有機的な曲線と偶然性が生み出すシルエットを現代の日常着へと昇華させた。「ユニセックス」という言葉に安易に頼らず、女性の体に本質的に寄り添うシルエットをゼロから追求したという。メンズとレディースが明確な境界線を持たず、ひとつの世界観としてシームレスに展開される様は、ブランドの新たな広がりを感じさせた。
ランウェイを彩ったのは、石のグレー、土のブラウン、砂のベージュ、葉のグリーン、空のブルという自然界から抽出したような静謐なカラーパレットだ。一方、そのなかで突如として現れたトータルレッドのルックは、コレクション全体の体温を一気に引き上げる。





シルエットは全体を通じて、意図的にコントロールを手放したような自然なゆとりと、構築的な美しさが共存していた。
ブラックのレザーボンバージャケットとチョコレートブラウンのスラックスの組み合わせ、砂色のトレンチコートをゆるやかに束ねるベルト、大ぶりのコバルトブルーのニットから流れるように垂れるループ糸のスカーフ。いずれも「完璧に整えられていない」ことの美しさを体現する。



スカーフやグローブが単なる防寒具を超え、ルックの核として機能しているのも印象的だった。
あるルックでは毛糸のスカーフがベルト代わりに腰を締め、また別のルックでは床すれすれまで垂れる長尺のスカーフが動きとともに揺れる。こうした「まとわせる」という行為そのものがデザインであるという視点が、ジャン・アルプが語った偶然性の美学と深く呼応していた。



昨年「FASHION PRIZE OF TOKYO 2026」を受賞、今年1月のパリでのメンズコレクションのランウェイを経て、東京でウィメンズラインの始動という新たな一歩を踏み出したヨーク。彫刻、自然、そして身体の関係性を静かに探求した同コレクションは、ミニマルでありながら詩的に、衣服が持つ造形的な可能性を改めて問いかけるものだった。
ヨーク 2026年秋冬コレクションの全てのルックは以下のギャラリーから。
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