6月13日(現地時間)、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(以下、LVMH)は、オリエント・エクスプレス(Orient Express)列車の所有者であるアコー(Accor)と戦略的パートナーシップを締結したことを発表した。これは、オリエント・エクスプレスのリニューアルと発展を加速させる為の提携だという。
オリエント・エクスプレスは、1883年の初航海以来、個性的で洗練された冒険を求める顧客のために、非日常と魅惑を凝縮したライフスタイルを体現してきた。2022年のアコーによる買収以降は、列車、ホテル、帆船の新たな象徴的事業を展開している。
今回締結した契約に基づき、LVMHは、アコーのオリエント・エクスプレス・ブランド、将来のホテルと列車を運営する会社、および2隻の帆船を所有する事業体への戦略的投資を行う。最初の船は現在、フランスのシャンティエ・ド・ラトランティックにて建造中であり、両グループはこの新しい事業のための第3のパートナーを共に探し続ける予定だ。
この提携について、LVMHグループの会長兼CEOであるベルナール・アルノー(Bernard Arnault)は、声明で次のようにコメント。
「オリエント・エクスプレスは、その起源以来、冒険とエレガンスを体現してきました。その名前は私たちの文化遺産の一部となり、偉大な芸術家たちのインスピレーションの源であり続けています。オリエント・エクスプレスは、洗練された生活の芸術と、私たちの各ハウスを動かす大胆さを象徴しています。アコーと提携し、この旅のアイコンのリニューアルを加速できることを嬉しく思います。オリエント・エクスプレスをホスピタリティの芸術の頂点へと導くために、私たちの各グループは最高の専門知識を持ち寄ります。」
また、アコーグループ会長兼CEOのセバスチャン・バザン(Sébastien Bazin)は、「オリエント・エクスプレスは、140年前に誕生して以来、そのルーツと奇想天外な世界を描きながら、常に未来を見据えている伝説的な存在です。アコーは、オリエント・エクスプレスによって、旅の芸術、発見、そして偉大なオデッセイを再発明しています。新たな地平を切り拓き、アコーグループの原動力である大胆さと創造的な情熱を体現するという野心を胸に、今日、LVMHとともに、このエキサイティングな旅の新たな章を開きます。LVMHの稀有な専門知識を活用し、この伝説の最前線をさらに押し進め、これまで以上に特異な方法でその具現化に命を吹き込み続けることができることを嬉しく思います。」と述べた。
LVMHは現在、ヴェニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス( Venice Simplon-Orient-Express)や、ベルモンド(Belmond)が世界各地で運行する5つの列車をすでに所有しており、長期ライセンス契約を結んでいる。
同社は、オリエント・エクスプレスの復活に貢献することで、高品質の商品とサービスにおける独自の専門性をさらに高めていく。同時に、ホスピタリティ業界におけるLVMHの運営ノウハウと創造性をさらに強化していくだろう。