リボルブが仏クチュールハウス「アレクサンドル・ヴォチエ(Alexandre Vauthier)」の過半数の株式を取得

ALEXANDRE VAUTHIER

6月25日(現地時間)、カリフォルニアのオンライン小売であるリボルブ・グループ(Revolve Group, Inc.)は、フランスの高級クチュールハウス「アレクサンドル・ヴォチエ(Alexandre Vauthier)」の過半数の株式を取得したことを発表した。

リボルブ・グループは、この戦略的買収によって、高級ファッション分野でのプレゼンスをさらに強化し、世界中の顧客に対してより多様な製品を提供することを目指す。

「アレクサンドル・ヴォチエ」は、2009年にデザイナーのアレクサンドル・ヴォチエ(Alexandre Vauthier)によって設立された。ヴォチエはティエリー・ミュグレー(Thierry Mugler)の元でデザイナーとしてのキャリアをスタートさせ、その後、ジャン=ポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)のオートクチュール部門のヘッドデザイナーに就任。その後自身の名を冠したブランドを開始すると、ヴォチエの作り上げるコレクションは大胆なシルエットとイノベーティブなデザイン性で高い評価を受け、セレブリティやファッション愛好家の間で広く知られるようになった。また10年以上、パリオートクチュールウィーク への参加常連ブランドでもある。

しかし、同ブランドの経営状態は思わしくなく、2023年11月以降は支払停止状態が続いていた。今回リボルブ・グループは、ブランドに3年間で600万ユーロを投資し、購入したばかりの資産を新たに設立される事業体に拠出する。売却価格のような取引の追加条件は明らかにされていない。

リボルブ・グループの共同CEOであるマイケル・メンテ(Michael Mente)は、「私たちは、オートクチュール界の著名人であるアレクサンドル・ヴォチエと提携できることに感激しています」と述べ、「私たちのインパクトのあるブランドマーケティング戦略と卓越したオペレーションを、ヴォチエの先見性のあるデザインと融合させることで、ラグジュアリーにおけるファッションの影響力の新時代に火をつけ、フランスを代表するメゾンを築き上げることになるでしょう。」と、声明でコメントした。

また、ブランドのクリエイティブディレクターであるアレクサンドル・ヴォチエは、「リボルブのチームと初めて会ったとき、現代の消費者のためにオートクチュールビジネスを成長させることへの彼らの理解と、このファッションの非常に特別なコーナーでコレクションを構想し、それを毎シーズン高品質のプレタポルテとアクセサリーに発展させるために必要な、あらゆる専門的なテクニックと効果のサポートをすぐに感じました。リボルブが提供する付加価値のあるメティエとともに、私のメゾンの新しい章を楽しみにしています。」と述べた。

この取引は、両社の取締役会によって承認されており、規制当局の承認を経て2024年の第3四半期に完了する予定である。