6月27日(現地時間)に、パリのパレ・ロワイヤル庭園で行われた2024年アンダム・ファッション・アワード(ANDAM Fashion Award)の授賞式。今年は、レバノン生まれのオーストラリア人デザイナー、クリストファー・エスバー(Christopher Esber)がANDAM賞グランプリを受賞した。
この権威あるアワードは、新進ファッションデザイナーを支援する為、ナタリー・デュフール(Nathalie Dufour)によって1989年に創立された。現在は、パリ・ファッション・ウィークへの参加を希望する若手デザイナーの登竜門として知られており、文化省とDEFIが後援し、デュフールが専務理事、ギヨーム・ウゼ(Guillaume Houzé)が審査委員長を務めている。
今年度グランプリに輝いたエスバーには、賞金30万ユーロが贈られ、さらにサンローラン(SAINT LAURENT)のクリエイティブディレクターであるアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)からの指導を受けられる。その他、審査員特別賞、ピエール・ベルジェ(Pierre Bergé)賞、ファッション・アクセサリー賞、イノベーション賞はそれぞれ10万ユーロを受け取る。加えて、各受賞者は、専属スポンサーによる1年間の指導を受けられるメンターシップが授与される。
グランプリを受賞したエスバーは、2010年に自分の名を冠したレディース・プレタポルテ・ブランド、「クリストファー エスバー(Christopher Esber)」をシドニーで設立。2013年にはウールマーク・プライズ(Woolmark Prize)のファイナリストに選ばれ、2023年9月には初めてパリ・ファッション・ウィークの公式カレンダーへ参加した。
同ブランドは、フェミニンな官能性とエフォートレスな洗練の魅力を讃えている。エスバーのデザインは、構築的なフォルムと、カットアウトで飾られた流れるようなアンサンブルを調和させ、メンズテーラリングの要素を取り入れることで、レディスファッションの既成概念を覆すものだ。
なお、今年の審査員特別賞は、フランス人デザイナー、エメリック・チャチュア(Emeric Tchatchoua)のブランド、「スリー.パラディ(3.PARADIS)」が受賞した。同ブランドは、鳩をシンボルとしたフォーマルなストリートウェアが特徴で、直近の2シーズンに渡り、パリ・ファッション・ウィークへ参加している。
その他、フランス人デザイナーのエドモンド・ルウ(Edmond Luu)が手がける「ピーシーズ ユニーク(Pièces Uniques)」がピエール・ベルジェ賞を、オランダ人デザイナーのクリスチャン・ハイコップ(Christian Heikoop)によるレザーグッズブランドの「メイデン(Maeden)」がアクセサリー賞を授与した。