8月1日(現地時間)、イタリアのファッション・ハウスのサルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)は、2024年上半期の業績を発表した。
上半期の純利益は、前年同期の2100万ユーロに比べて600万ユーロに急減。利息、税金、減価償却前利益は、前年比12.7%減の1億1700万ユーロとなり、売上高に占める割合は22.4%だった。また、営業利益は2800万ユーロで、前年比41%減。
地域別では、アジア太平洋地域での第2四半期の売上が、前年同期比-14.9%という厳しい結果に。一方、日本市場の第2四半期は、観光客の増加のおかげもあり、為替レートを一定に保つと9.8%増だったが、現在の為替レートでは1.7%減となった。また、卸売チャネルの弱さが全体の収益減少に寄与した。
そんな中で、新しいシューズやハンドバッグのコレクションが若年層を中心に好評を博しており、いくつかの市場では前向きな兆候が見られている。
サルヴァトーレ フェラガモの2024年上半期の業績のハイライトは以下の通り。
第2四半期のパフォーマンス
収益: 2億9600万ユーロ(前年同期比-8.1%、為替一定で-6.0%)
直販チャネル: 2億1200万ユーロ(前年同期比-5.5%、為替一定で-3.8%)
卸売チャネル: 7800万ユーロ(前年同期比-8.7%、為替一定で-12.1%)
上半期のパフォーマンス
収益: 5億2310万ユーロ(前年同期比-12.8%、為替一定で-10.9%)
直販チャネル: 3億8200万ユーロ(前年同期比-8.1%、為替一定で-5.5%)
卸売チャネル: 1億2800万ユーロ(前年同期比-23.1%、為替一定で-24.8%)
粗利益率: 収益の72.1%で安定
営業利益(EBIT): 2800万ユーロ(前年同期比-41.0%)
営業利益(EBITDA): 1億1700万ユーロ(前年同期比-12.3%)
純利益: 600万ユーロ(前年同期比-73.2%)
地域別の売上動向
EMEA: 第2四半期の売上は前年同期比-2.9%(為替一定で-2.7%)
北米: 第2四半期の売上は前年同期比-1.4%(為替一定で-3.2%)
中南米: 第2四半期の売上は前年同期比-5.4%(為替一定で-6.1%)
アジア太平洋: 第2四半期の売上は前年同期比-14.9%(為替一定で同じ)
日本: 第2四半期の売上は前年同期比-1.7%(為替一定で+9.8%)
プロダクトカテゴリー別の売上動向
フットウェア: 上半期の売上は2億3880万ユーロ(前年同期比-10.5%)
レザーグッズ: 上半期の売上は2億350万ユーロ(前年同期比-13.3%)
アパレル: 上半期の売上は3030万ユーロ(前年同期比-21.9%)
シルク製品およびその他: 上半期の売上は3720万ユーロ(前年同期比-10.2%)
今後の展望と戦略は
こうした結果を受け、フェラガモのCEO、マルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)は、次のように声明でコメント。
「第2四半期は、年初から見られた励みになる基本的な運営傾向が再び確認されています。米国、ヨーロッパ、日本、ラテンアメリカでは、小売のフルプライス販売が好調な傾向を示しました。リフレッシュされたシューズとハンドバッグのオファーが、新しい若い顧客を引き付け、購入者層の若年化に貢献しています。またメディアでは、2024年秋冬コレクションの優れた反響によって、ブランドの魅力が再度確認されました。」
しかし、これらの前向きな運営傾向にもかかわらず、第2四半期の全体的な財務結果は、特にアジア太平洋地域における厳しい消費者環境によって大きく影響を受け、他の地域での好調な傾向を相殺した。また、より選択的な流通戦略により、卸売チャネルの弱さが続いている。
同社は、こうした消費需要の減速が続く中で、トップラインのパフォーマンスと収益性に注力し続けることを強調している。具体的には、リフレッシュした製品オファー、フルファネル・マーケティングでのアプローチ、カスタマイズされたCRMイニシアチブ、新しいストアコンセプトを通じて、オーディエンスを拡大し、エンゲージメントを高めることを目指していく予定だ。