ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)が高級犬用パフュームを発売 |少子化に伴い成長するペット市場

Dolce & Gabbana

イタリアの高級ファッション・ハウスの「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」は、このほど、最新の香水として「愛犬用のパフューム」を発売した。この新製品は、同ブランドの共同創設者ドメニコ・ドルチェ(Domenico Dolce)の愛犬にちなんで「フェフェ(Fefé)」と名付けられ、香水1本(100ml)当たり、99ユーロ(約1万5000円)で販売されている。

この高級犬用パフュームは、アルコールフリーで作られており、イランイラン、ムスク、サンダルウッドの「温かみのある香り」が漂うものだ。ガラス瓶には24金メッキの足跡が施され、購入者には、専用のドルチェ&ガッバーナの犬用首輪とタグが提供される。

また、ドルチェ&ガッバーナが打ち出した「フェフェ」の最新キャンペーン動画では、可愛らしいダックスフント、チワワ、ビション・フリーゼがスツールの上に座っている映像が流れる。動画は「私は繊細で、純粋で、カリスマ的」という言葉から始まり、最後には「私はただの犬ではなく、フェフェです」という擬人化されたメッセージが伝えられる、というものだ。

ブランドの共同創設者ステファノ・ガッバーナ(Stefano Gabbana)はイタリアの新聞コリエーレ・デラ・セラに、「市場は良い反応を示しました。発表に皆が夢中になりました」と語っている。

RSPCAの警告

その一方で、RSPCA(英国動物虐待防止協会)は、犬専用の香水を使用することにより、犬の嗅覚に干渉することを警告した。犬が香水を使用することは、犬にとって不快な臭いとなり、周囲との繋がりが妨げられる可能性があると主張している。

RSPCAのシニア科学担当官アリス・ポッター(Alice Potter)は、「時には犬が擬人化され、犬が好きなものと私たち人間が彼らが好きだと思うものとの境界が曖昧になることがあります」と述べ、『犬は嗅覚に頼って環境やその中の人々、他の動物とコミュニケーションを取る為、一部の香りは犬にとって非常に不快なものになることがある』と主張した。

少子化とペットブーム

ちなみに、犬の香水自体は決して新しい製品ではない。しかし、ドルチェ&ガッバーナのような一流のファッション・ハウスの参入は今回が初めてだ。

2023年のブルームバーグ・インテリジェンスの報告によると、2030年までに獣医療、ペットフード、医薬品などを含むグローバルなペット産業は、年間3200億ドルから5000億ドルに膨れ上がると予測されている。

また、ブルームバーグのアナリストでレポートの共同著者であるダイアナ・ロセロ=ペーニャ(Diana Rosero-Pena)は、「ペットへの消費者支出の大幅な増加が見られ、2030年までこの傾向が続くと予想されています。消費者はペット用品にもっとお金を払う意欲があります」と述べた。

現在先進国の多くでは、少子化の進行が顕著であり、子供の代わりにペットを飼う人の人口が増加している。特に中国や韓国では、出生率の低下と規制の緩和により、ペットの飼育が急増している。こうした背景からも、今後更なる成長が見込まれるペット市場ではあるが、ドルチェ&ガッバーナのこの高級犬用香水「フェフェ」が消費者の心をどのように捉えるか、は気になるところだ。

現在「フェフェ」は、ブランドの公式オンラインサイトで購入が可能。また現在は、ヨーロッパ全域、アメリカの実店舗にて取り扱いがあり、今後は、世界のその他の地域の実店舗でも販売が拡大していく予定である。

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