10月8日(現地時間)、フランスのラグジュアリーグループであるケリング(Kering)は、ステファノ・カンティーノ(Stefano Cantino)が2025年1月1日付でグッチ(Gucci)のCEOに就任することを発表した。カンティーノは2024年5月にグッチの副CEOとして同社に加わっており、今回の昇進により、世界有数のファッションブランドであるグッチを率いることとなる。
カンティーノは、フランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini – ケリングのブランド開発担当副CEO)に直属し、ケリングの執行委員会のメンバーとしても活動する。彼の前任者であるジャン=フランソワ・パリュス(Jean-François Palus)は、2023年7月にCEOに就任し、ブランドの次の章を開くための土台作りに尽力した。パリュスの任期中、グッチは新たな人材の採用を含め、ブランドの未来に向けた大規模な再構築が行われ、今回のカンティーノの就任がその総仕上げとなる。
ベレッティーニは、パリュスへの感謝の言葉を述べるとともに、「ステファノとグッチのチームが、この15か月間で築かれた基盤を活かし、グッチが再びそのリーダーシップを取り戻すことに成功すると確信しています」とコメント。
また、ケリングの会長兼CEOであるフランソワ=アンリ・ピノー(François-Henri Pinault)は、「パリュス氏が下した勇敢な決断と確固たるリーダーシップによって、ブランドが再び繁栄する基盤が整いました」と語り、長年にわたるパリュスとの密接な協力関係に対しても謝意を示した。
カンティーノは2024年5月にグッチの副CEOに就任する以前、ルイ ヴィトン(Louis Vuitton)で5年間、コミュニケーションとイメージ戦略を統括していた。それ以前は、プラダ(Prada)グループで20年間勤務し、マーケティングと商業部門での経験を積んできた。トリノ大学で政治学を専攻したカンティーノは、ファッション業界でのキャリアを通じて、常にクリエイティブな視点からブランドを成長させる手腕を発揮してきた人物だと言える。
今回の就任により、カンティーノは、長い歴史を持つグッチをどのように新たな高みへ導いていくのだろうか。2023年にグッチは、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)の後任として、新クリエイティブ・ディレクターにサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)を迎え入れ、ブランドのムードを一新させた。その一方で、2024年のグッチの上半期は大幅減収しており、営業利益は44%減という厳しい結果を招いている。