ミュウミュウ(Miu Miu)CEOが、クリスチャン・ディオール・クチュールのマネージングディレクターに就任

Benedetta Petruzzo, Miu Miu CEO Named Managing Director of Christian Dior Couture

9月3日(現地時間)、LVMH傘下にあるミュウミュウ(Miu Miu)の最高経営責任者(CEO)であるベネデッタ・ペトルッツォ(Benedetta Petruzzo)が、クリスチャン・ディオール・クチュール(Christian Dior Couture)のマネージングディレクターに就任することが発表された。

ペトルッツォは、ディオールの現マネージングディレクターであるシャルル・ドラパルム(Charles Delapalme)の後任となり、ディオールを統括するデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)の直属として10月15日より正式に新しい役職に着任する。なお、ドラパルムは、移行期間の後、LVMHグループ内での新たな重要な責任を引き受ける予定で、その役職については後日明らかにされるとのことだ。

ペトルッツォは、ミラノのボッコーニ大学でビジネス・アドミニストレーションの学位と経営学修士号を取得しており、金融業界でキャリアをスタートさせた。その後、マネジメントコンサルタント会社ベイン&カンパニー(Bain& Company)に入社し、小売およびラグジュアリーセクターを専門として勤務した。2015年2月には、ケリング(Kering)へ転職。アイウェアの北米担当エグゼクティブ・バイスプレジデントを務め、同社で5年間を過ごした。

その後、2020年2月にミュウミュウに移り、パンデミックの真っただ中でブランドの経営を引き継いだ。ペトルッツォの指導のもと、ミュウミュウは急速な成長を遂げ、上半期のリテール売上は93%増加し、同期間の6%増にとどまったプラダ(Prada)を上回る成果を達成した。

アルノーは声明の中で、「ベネデッタの才能とリーダーシップが、ディオールの活動の継続的な発展と国際的な影響力にとって大きな資産となると確信しています。彼女のラグジュアリーマーケットでの専門知識は、ディオールの魅力と成功を一層高めるでしょう。既存のチームの卓越性と共に、私たちは未来を築き、組織を強化し続けます」と述べた。

またペトルッツォは、「ディオールに加わることを非常に光栄に思います。この偉大な責任を託され、この象徴的なメゾンに参加できることを誇りに思います。私に信頼を寄せてくれたデルフィーヌ・アルノーに心から感謝し、エグゼクティブ委員会や各地域の社長たちと緊密に協力し、ディオールのビジネスのさらなる発展に貢献できることを楽しみにしています」と喜びを伝えた。

現在、主要なラグジュアリーブランドでは、CEOという肩書きにこだわらず、CEOレベルの卓越した人材を積極的に迎え入れている。例えば、昨年4月にはディオールがモンブラン(Montblanc)のCEOであったニコラ・バレツキー(Nicolas Baretzki)を商業活動担当の副マネージングディレクターとして迎え入れた。

また、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンでは、内部昇進が重視されており、優れたエグゼクティブを確保し、後継者育成にも注力している。実際に、LVMHの主要ポジションの約70%が内部昇進で埋められており、その約半数が女性である。

今回のペトルッツォの新たな役割への就任は、ディオールとLVMHにとっての重要な転換点となるに違いない。彼女が持つ豊富な経験と卓越したリーダーシップが、ディオールのさらなる成長と国際的な影響力の強化に寄与すると期待されている。

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