シャネルとロレアルが10億ドルの評価で「ザ ロウ(The Row)」に出資

The Row

シャネル(Chanel)のオーナーであるヴェルタイマー(Wertheimer)兄弟と、ロレアル(L’Oreal)のベッテンコート(Bettencourt)家が、オルセン(Olsen)姉妹が設立したファッションブランド「ザ ロウ(The Row)」の少数株式を取得したことが、関係者の話で明らかになった。現在、同ブランドの企業価値は、約10億ドル(約1400億円)と評価されている。

ジェラールとアラン・ヴェルタイマーは、自身のファミリーオフィスである「ムース・パートナーズ(Mousse Partners)」を通じて投資を行い、一方、ロレアルの支配者であるベッテンコート・マイヤーズ家はファミリーオフィス「テティス・インベスト(Tethys Invest)」を通じてこの取引に参加したと、関係者がブルームバーグの報道を裏付ける形で述べた。

さらに、ファッション界の起業家であるナタリー・マッセネット(Natalie Massenet)とニック・ブラウン(Nick Brown)が共同で設立したベンチャーキャピタル「イマジナリーベンチャーズ(Imaginary Ventures)」も、「ザ ロウ」への投資に加わっていることが確認されている。加えて、ローレン・サントドミンゴ(Lauren Santo Domingo)が設立したプライベート投資ファンド「サントドミニクキャピタル(StDominique Capital)」も、この投資ラウンドに参加しているという。

アシュレーオルセン(Ashley Olsen)とメアリー=ケイト・オルセン(Mary-Kate Olsen)が設立した「ザ ロウ」は、2006年にスタートしたブランドで、ミニマリストなデザインが特徴だ。このスタイルは「クワイエット・ラグジュアリー」とも称され、目立たないが上質な高級感を求めるトレンドの一端を担っている。同ブランドの商品は、カシミアやシルクのセーターが3,000ドルを超え、ウールコートが4,500ドル以上と、非常に高価な価格帯で展開されており、特に、約7,000ドルに上る革製ハンドバッグ「マルゴー」は、顧客の間で高い人気を誇る。

現在「ザ ロウ」は、ニューヨーク、ハンプトンズのアマガンセット、ロサンゼルス、ロンドンの4つの実店舗を展開中だ。また、近々フランス、パリ1区にブランド初のブティックがオープンする予定である。