ユニリーバ(Unilever)、プレステージ部門CEOにメアリー・カルメン・ガスコ=ブイソンが就任

Unilever Prestige Appoints Mary Carmen Gasco-Buisson As CEO

10月4日(現地時間)、ユニリーバ(Unilever)は、同社のプレステージビューティ部門の新たなCEOに、メアリー・カルメン・ガスコ=ブイソン(Mary Carmen Gasco-Buisson)が就任したことを発表した。ガスコ=ブイソンは、11月1日にユニリーバに入社し、6月に退任を表明したヴァシリキ・ペトル(Vasiliki Petrou)の後任として、ビューティ&ウェルビーイング部門のプレジデントであるプリヤ・ネア(Priya Nair)に直属する予定だ。

ガスコ=ブイソン氏は、以前ユニリーバに在籍しており、その際はアックス(Axe)やリンクス(Lynx)といった人気のパーソナルケアブランドのグローバルブランドリーダーとして、ブランドの損益管理を指揮していた実績を持つ。また、直近ではジュエリーブランド、パンドラ(Pandora)の最高マーケティング責任者(CMO)およびグローバル事業部門のエグゼクティブ・バイスプレジデントを務め、パメラ・アンダーソン(Pamela Anderson)を起用した目を引くキャンペーンを展開。さらに英国ファッション協議会とのパートナーシップを成立させるなど、マーケティング戦略においても大きな成果を残している。

その他にも、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)を含む美容とプレステージの分野で20年以上の経験を持っており、ユニリーバは「彼女は起業家的なブランドと確立されたブランドの両方を構築する強い経験を持ち、プレスティージ部門の次の成長段階を導くのにふさわしい人物だ」と述べている。

またガスコ=ブイソンも、自身のリンクトインで「ユニリーバのプレスティージブランドは非常に美しく、ヴァシリキ・ペトル氏を深く尊敬しているます」と述べ、「これらの素晴らしいブランドと情熱的で才能豊かなチームと共に、次の成長ステージに向かってリーダーシップを発揮できることがとても楽しみです」と、熱い意欲を語っている。

ペトルの在任期間中、プレステージビューティ部門はユニリーバの重要な事業柱の一つとして成長し、特に2015年に買収されたダーマロジカ(Dermalogica)や、最近注目を集めているK-18バイオミメティック ヘアサイエンス(K-18 Biomimetic Hair Science)といったブランドの獲得に成功してきた。こうした功績によって、同社はプレミアム美容市場での存在感を強化している。

しかし、近年、米国市場の減速により、プレステージビューティ部門の成長はやや鈍化しているのが現状だ。ユニリーバの2024年度上半期の決算では、全体で7.1%の売上成長を記録した一方、プレステージビューティ部門は一部で成長の停滞が見られた。

今回の新体制発表は、ユニリーバがプレステージビューティ部門の一部ブランド、特にレン(Ren)やケイト・サマーヴィル(Kate Somerville)などの売却を検討しているとされるタイミングで行われた。これは、ユニリーバが業務の効率化、収益性の向上、そして株主への更なる価値提供を目指す戦略の一環として位置付けられている。