CFDA(アメリカファッションデザイナー協議会)はこのほど、グーグル(Google)との提携をし、新たな助成プログラム「ファッション・エクイティ・フェローシップ(Fashion Equity Fellowship)」を発表した。この新しい助成プログラムは、テクノロジーのリーディングカンパニーであるグーグルのリソースや知識を、デザイナーやそのブランドに直接提供し、2025年2月に予定されているニューヨークファッションウィーク(NYFW)でのコレクションとショーケースを支援するものだ。
このフェローシップには、次世代のファッションシーンを牽引する注目ブランドとして、エリア(Area)のデザイナーであるピオトレック・パンスチュックとベケット・フォッグ( Piotrek Panszczyk & Beckett Fogg)、コリーナ ストラーダ(Collina Strada)のデザイナー、ヒラリー・テイモア(Hillary Taymour)、ディオティマ(Diotima)のデザイナー、レイチェル・スコット(Rachel Scott)が選出された。
デザイナーたちは、グーグルのプロダクト・インクルージョン&エクイティチームの指導のもと、CFDAの支援を受けながら、対面およびオンラインでのフェローシップに参加する。2025年春まで続くこのプログラムでは、デザインの過程で包摂性(インクルージョン)と公平性(エクイティ)をどのように取り入れるかを学び、それを自身のコレクションに反映させるのである。また、各デザイナーには、ショー開発に向けた5万ドルの助成金が提供され、インクルーシブなデザインを取り入れた新作を披露する予定である。
プログラムの目標は、アイデアの創出からUXデザイン、ユーザーテスト、マーケティングに至るまで、デザインプロセス全体をカバーする「実践的トラック」と、業界リーダーたちとの対話を通じてデザインにおける公平性を深める「リーダーシップトラック」の2つの軸を達成することだという。
グーグルのプロダクト・インクルージョン&エクイティ部門ディレクターであるアニー・ジーン=バティスト(Annie Jean-Baptiste)は、「私たちは、産業を越えてインクルーシブで公平なプロダクト、サービス、体験を創り出すことをサポートすることに全力を尽くしています。CFDAやデザイナーと協力することで、ファッションにインクルージョンとエクイティのフレームワーク、ツール、リソースを取り入れる新しい方法を見つけ、より公平な世界を作りたいと思います」とコメント。
さらに、CFDAのCEOであるスティーブン・コルブ(Steven Kolb)も、「グーグルとのファッション・エクイティ・フェローシップは、私たちの使命を体現しており、CFDAの長年にわたる社会的影響の取り組みの延長線上にあります。この重要なフェローシップを通じて、優れたアメリカのデザイナータレントをサポートし、包括的なデザイン分野での革新を続けるための手助けをすることができることを嬉しく思います」と述べた。
また、CFDAは、今年7月にジュエリー・ブランドのティファニー(Tiffany & Co.)と協力し、ジュエリー業界初となる「Tiffany & Co. x CFDA ジュエリー・デザイナー・アワード」の設立もしている。このアワードでは、ティファニー・アトリウム(Tiffany Atrium)とCFDAの「IMPACTプログラム」がタッグを組み、次世代のアメリカジュエリーデザイナーを育成することを目指していく。