9月15日(現地時間)、フランスを代表するラグジュアリーコングロマリットLVMH(モエ ヘネシー ルイ ヴィトン)は、2024年第3四半期の決算を発表した。全体の売上は190億7600万ユーロ(約210億ドル)に達したが、オーガニックベースの売り上げは3%減少し、この結果はアナリストの予想を大きく下回った。
特に、同社の柱であるファッション&レザーグッズ部門における5%の売上減少が、大きな影響を与えたと言える。ルイ ヴィトン(Louis Vuitton)、クリスチャン ディオール(Christian Dior)、ロエベ(Loewe)といった強力なブランドを擁しているLVMHは、通常ラグジュアリー市場を牽引する存在だ。しかし、今回の売上減少は、消費者の購買意欲の減退を示唆しており、特に小規模な競合他社にとって厳しい時期が訪れる可能性があるだろう。
また、日本を除くアジア市場では16%の売上が減少。これは、中国市場における消費者信頼感の低下が影響している。一方で、日本は依然として中国人旅行者にとって重要な市場であり、円安の恩恵を受けているが、その成長速度は第2四半期の57%から第3四半期には20%に急速に鈍化した。
これに対しLVMHは、パンデミック後の高成長期から徐々にクールダウンし、特にマクロ経済の逆風や価格引き上げが影響していると指摘している。同社の最高財務責任者(CFO)であるジャン=ジャック・ギニョン(Jean-Jacques Guiony)は、価格引き上げが必要だったとし、「価格を上げなければ、今日の2桁成長は達成できなかっただろう」と説明した。
また、ワイン&スピリッツ部門は、特にコニャックの売上が中国市場で低迷しており、7%の売上減少に。さらに、来年にはシャンパンの不作がさらなる逆風となる可能性がある。
LVMHは、今後もブランドの魅力を高めるための戦略を継続する方針だが、今回の結果は同社が直面する厳しい環境を反映しており、特に主要市場での需要低迷が続く中、さらなる回復には時間がかかることが予想される。