ジャックムス(Jacquemus)、ニューヨークのソーホーに米国初の直営店をオープン

Jacquemus

10月18日(現地時間)、南フランスのラグジュアリーブランド、ジャックムス(Jacquemus)がニューヨークのソーホー地区に米国初の直営店をオープンさせた。これは、パリのアヴェニュー・モンテーニュ店と、シャルフーブグループとのパートナーシップで運営されているドバイ店に続く、世界で3店舗目の直営店だ。

本日の午前11時に開店したジャックムスだが、熱心な顧客たちは夜明け前から並び始め、朝方には何ブロックにまで続く長蛇の列がなされていた。店舗のオープニングでデザイナーのサイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)がテープカットを行うと、一気に祝福ムードに包まれた。

 

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また、ブランドはニューヨークの街角で「Rond Carréバッグ」をモチーフにした「バッグトラック」を走らせ、クロワッサンとジュースを配布するユニークなイベントを開催。さらに幸運な4名にはジャックムスのバッグ「Rond Carré」をプレゼントするサプライズチケットも用意した。

これは、今年春にパリで行われたAIを活用したプロモーションの一環として実施されたもので、以前SNSで大きな話題となった「バンビーノバッグが巨大化してパリの街を走る映像」を、今回ニューヨークで実物として再現したものだ。ポップアートのようなユーモアと遊び心に溢れているこの計らいには、「人々に笑顔を届けたい」というジャックムス自身の想いが込められている。

オープンしたての2階建ての新店舗は、Spring Street 143番地に位置し、近隣には多くのラグジュアリーブティックが立ち並ぶ。店内は270平方メートル(約2,906平方フィート)の広さを誇り、フランス的なエレガンスとプロヴァンスの風情を感じさせるデザインが特徴だ。特に、19世紀のレンガ造りの家屋を彷彿とさせる外観と、ガラスと金属で構成されたモダンなデザインが融合したユニークな建築が道を行く人々の目を引く。

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内装には、フランスのブルゴーニュ地方から取り寄せた石材を使用した床や、プロヴァンス風の鍛鉄製の手すりがあしらわれ、デザインへのこだわりが随所に見られる。フィッティングルームに取り付けられたバナナイエローのカーテンも彩りを加え、空間全体をシンプルながらも印象的な雰囲気に作り上げている。

取り扱いアイテムとしては、ジャックムスのウィメンズ、メンズのコレクションをはじめ、アクセサリーや「Itバッグ」として人気の高い「Rond Carréクラッチ」などが揃い、全て世界中の他の店舗と同じラインナップで提供されている。

Jacquemus NY

さらに、ジャックムスの店舗は、単なるブランドとしての枠を超え、アートとファッションが融合した新たなライフスタイルの提案の場でもある。

ニューヨーク店には、デザイナーが自身で所有しているアート作品や、OMAやクリスティーズ(Christie’s)から借りた家具を配置。ジャックムスは、店舗の設計においても、単なる売り場としてだけでなく、アートや歴史、文化に触れられる特別な体験を提供したいと考えており、「お客様には、この空間で買い物をする際に、ブランドのビジョンの一部を感じてもらいたいんです」と語る。

Jacquemus NY
Courtesy of Jaquemus

今回の米国での初の直営店オープンについて、ジャックムスは、「ニューヨークは非常に重要な市場であり、アメリカ市場全体においても我々の美学やストーリーはさらに成功を収めていくでしょう」と述べ、この進出に大きな期待を寄せている。

併せてブランドは、2025年2月にロサンゼルスのメルローズに2店舗目をオープンする計画も発表。若い世代に支持されるファッション業界の新たな旗手として、米国市場でのブランドの地位をさらに強固なものにしていく方針だ。