10月25日(現地時間)、南アフリカに拠点を置くファッション小売大手のTFGロンドン(TFG London)が、英国のファッション・ライフスタイルブランドであるホワイト スタッフ(White Stuff)を買収したを発表した。
ホブス(Hobbs)、ウィッスルズ(Whistles)、フェーズ エイト(Phase Eight)などを傘下に持つTFG ロンドンは、今回の買収により、英国での存在感をより強化していく方針だ。また、ホワイトスタッフは、今後店舗展開を加速させ、新たな成長フェーズに突入していく。
今回TFG ロンドンが買収したホワイト スタッフは、1985年に設立され、持続可能な素材を使用したファッションアイテムを展開することで広く知られている。英国国内に113店舗と46のコンセッション(ジョン・ルイスやマークス&スペンサーを含む)を展開し、欧州全体にも6店舗と25のコンセッションを有する。さらに、DTC(Direct-to-Consumer)ウェブサイトを通じた国際的な販売も行っており、606の卸売りパートナーを通じてその存在感を拡大している。2024年4月期の収益は過去最高の1億5,480万ポンドに達し、EBITDA(税引前利益)は860万ポンドを記録した。
ホワイト スタッフのCEOであるジョー・ジェンキンス(Jo Jenkins)は、買収後もCEOとして引き続き指揮を執る予定であり、同社の店舗やコンセッションのさらなる拡大を目指していく。2018年にホワイトスタッフに加わり、同ブランドを成長へと導いてきたジェンキンスは、「TFGロンドンは私たちのビジネスにとって理想的なパートナーであり、ホワイトスタッフのブランド価値を理解し、長期的な視点で支援してくれるでしょう」と声明で述べた。
一方で、ホワイト スタッフの創業者であるジョージ・トレヴス(George Treves)とショーン・トーマス(Sean Thomas)は今回の取引に伴い経営から退き、事業から離れることが発表された。トレヴスは「40年以上にわたって築き上げたブランドを手放すことは容易ではありませんが、TFGがホワイトスタッフに新たな成長の機会を提供してくれると確信しています」とコメントし、事業の新たな幕開けに期待を示した。
TFGロンドンのCEOであるジャスティン・ハンプシャー(Justin Hampshire)も「ホワイトスタッフは英国のハイストリートにおける強力なブランドであり、持続的な成長の可能性を秘めています。私たちはジェンキンス氏とその才能あるチームをサポートし、野心的な拡大計画を推進する予定です」と述べ、TFGロンドンがホワイトスタッフのブランド価値をさらに高めるべく、オンラインプレゼンスの強化も含めた投資を行うことを明言している。
TFGロンドンにとって、今回のホワイトスタッフ買収は、英国市場での地盤を一層強固にするものであり、同社が掲げる「臨界規模(クリティカルマス)」の達成に向けた重要な一歩となる。また、ホワイトスタッフの買収は、TFGロンドンが英国のファッション市場における多様な顧客層をターゲットにし、ブランドのポートフォリオを拡充させる戦略の一環としても位置付けられている。