10月28日(現地時間)、エスティ ローダー カンパニーズ(The Estée Lauder Companies)が、同社のエグゼクティブ グループ プレジデントであるステファン・ド・ラ・ファヴェリエ(Stéphane de La Faverie)を次期CEOに指名する意向であることが複数メディアによって伝えられた。エスティ ローダーは、現CEOのファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)の退任が来年度に決定しており、急ピッチで後任選びが進められている。
次期CEO候補としては、ファヴェリエだけでなく、エスティ ローダー家の一員であり、現在、チーフデータオフィサー兼エンタープライズマーケティング担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるジェーン・ローダー(Jane Lauder)も有力視されていた。しかし、彼女は、年末に現職を退任する意向を発表。これによって、ファヴェリエが次期CEOとして最も有力なポジションに立つ形となった。
なお、ジェーン・ローダーは、「必要な改革とブランドの再活性化を支援するため、取締役としての役割が最も影響力を発揮できる」と述べ、今後は、CEOをアドバイスし、利益回復や成長計画を支援することで、取締役および株主としての立場からエスティ ローダーの発展に寄与していく予定だ。また彼女の退任により、現在日常業務に携わるローダー家のメンバーはウィリアム・P・ローダー(William P. Lauder)のみとなるが、エリン・ローダー(Aerin Lauder)もエスティ ローダーのブランドコンサルタントとして活動を続けていく。
一方で、次期CEO候補に挙がっているファヴェリエは、2013年にエスティ ローダーに入社。エスティ ローダー(Estee Lauder)を始め、ジョー マローン ロンドン(Jo Malone London)、ル ラボ(Le Labo)、キリアン パリ(KILIAN PARIS)などの高級ブランドを統括してきた。同社に加わる前は、ロレアル(L’Oreal)でシニアエグゼクティブとして勤務をしていた経歴も持つ。
ファヴェリエがCEOとして就任すれば、彼は新たなリーダーシップのもとでエスティ ローダーの成長とブランド価値の回復に向けた挑戦に臨むことになるだろう。というのも、現在同社は、特に中国市場における需要低迷に直面しており、消費者の期待に応える為の新たな施策が求められているからだ。
なお、エスティ ローダーの四半期決算は10月31日に発表される。