スウェーデン発のアイウェアブランドであるチミ(CHIMI)が、このほど、ニューヨークのソーホー地区に米国初のフラッグシップストアをオープンした。
現代的でミニマルなデザインが特徴のチミは、幼なじみのチャーリー・リンドストローム(Charlie Lindström)とダニエル・ジュルジェヴィッチ(Daniel Djurdjevic)によって、2016年にスウェーデンのストックホルムで創設されたブランドだ。
チミが展開するモダンでありながらタイムレスなアイウェアコレクションは、ビヨンセ(Beyoncé)、ヘイリー・ビーバー(Hailey Bieber)やケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)といった世界的なセレブリティやファッションアイコンたちに愛され、数年で瞬く間にグローバルブランドへと成長を遂げてきた。
現在はストックホルムを始め、パリ、ケープタウン、オソロなどの都市に実店舗を展開。今回オープンしたニューヨークの新店舗は、世界で7つ目のチミの旗艦店であり、この米国進出によって、ブランドは国際市場における存在感をより一層強化していく。
110 Grand Streetに位置する新たなフラッグシップストアは、単なる小売スペースの枠を超え、道ゆく人々をチミの世界へと誘い出す。
チャーリー・リンドストローム(Charlie Lindström)は、2012年に母と初めてニューヨークを訪れた際に、ソーホーのすべての通りを歩き、このエリアの創造的なエネルギーに魅了されたのだという。「このエネルギーの一部になりたい、貢献したいと思ったのです。それゆえに、今回のリテール体験をただの買い物以上のものにしたいと思いました。人々がこのストアの前を通り過ぎたり、店内に入ったりするときに、私が感じたあのインスピレーションを感じてもらえたらと思います」とリンドストロームはOSFに語ってくれた。
そんな創立者の想いが込められた店内には、チミのアイウェアを象徴する曲線が、壁や家具、照明器具にまで反映され、来客に一体感と没入感を与えるデザインが施されている。特に、リンドストロームは、建築家のヤニ・クリストファーセン(Jani Kristoffersen)やヨハン・バーグルンド(Johan Berglund)と共に、フォトグラファー杉本博司の作品にインスパイアされた深い黒の陰影を創り出した。この大胆なデザイン要素が奥行きと立体感を演出し、空間全体を視覚的にも体験的にも一つの芸術作品へと昇華させている。
「チミでは、デザインスペクトラム全体からインスピレーションを得ており、ポストモダンの多様性とデコンストラクティビズムの大胆な実験精神に触発されながらも、常にミニマリズムとブルータリズムの要素を基盤にしています」
「私たちのフレームは、ポストモダン建築のアイコンが都市の風景や視点を再構築したように、型破りでカラフルで遊び心に満ちたものです」と、リンドストロームは述べた。
チミの哲学の核は、「バランスの追求」を製品や体験に具現化するというビジョンだ。すべての製品はストックホルムでの綿密なデザインプロセスを通じて開発され、数学的な原理と最高の素材を組み合わせた結果の産物なのである。また、この「未来的なシンプルさ」の精神は、革新的でありながら時代を超えた魅力を持つアイウェアデザインとして、チミのあらゆる製品に反映されている。
「今日、アイウェアは単なる機能的なアクセサリーではなく、顔のための建築作品であり、個性を表現するスタイルの象徴です。私たちはデコンストラクティビズムの理念から着想を得て、従来の形状を分解し、構造的に魅力的でありながら着用しやすいフレームを創り出しました。さらに、ブルータリズムに共鳴する素材への率直な愛もあり、アセテートの純粋な表現力を大切にしています。それは、透明な色合いから深いマットブラックまで、多様な表現を可能にする素材です」とリンドストロームは付け加えた。
この新しい空間を通じて、チミのデザインは、ニューヨークの人々に新たな視点を提供し、日常にさりげないスタイルと自己表現の楽しさをもたらしてくれるだろう。
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