11月12日(現地時間)、ファッションゲームアプリ「ドレスト(Drest)」が待望のリニューアルを発表した。今回のアップデートは、単なる機能の追加ではなく、ファッション、ゲーム、そしてエディトリアルが絶妙に融合した全く新しいエンターテインメント体験へと進化している。ファッションに関心を持つユーザーがブランドや文化的イベントとより深く関わり、リアルとバーチャルが交差する世界での創造的な冒険に没頭できる場へと生まれ変わったのだ。
リアルとバーチャルが交差する「RVR」体験を提供
ドレストがこのリニューアルで目指したのは「RVR(リアル-バーチャル-リアル)」体験である。ゲームのユーザーたちは、仮想空間でのスタイリングに実際のブランドのコレクションを取り入れることで、ブランドの物語や価値をリアルに感じることが出来る。
また今回のリニューアルに際して、アライア(Alaïa)、カサブランカ(Casablanca)、ディーゼル(Diesel)、セルフ ポートレート(Self-Portrait)、バルマン(Balmain)、ボッテガ ベネタ(Bottega Veneta)、バーバリー(Burberry)、クロエ(Chloé)、フェンディ(Fendi)、グッチ(Gucci)、ロエベ(Loewe)、メゾン マルジェラ(Maison Margiela)、ミュウミュウ(Miu Miu)、プラダ(Prada)など260以上のラグジュアリーブランドが追加された。
そこには、リニューアルのローンチパートナーおよび独自のインゲームストーリーでコラボレーションを行っているヴェルサーチ(Versace)、パンドラ(Pandora)が主催する「ファッションアワード2024」、マノロ ブラニク(Manolo Blahnik)も含まれている。
なお、パンドラが主催のファッションアワード2024では、バーチャルファッションイベントに参加し、デジタルルックを作り上げたり、実際のプロフェッショナルによって監修されたメイクやヘアスタイルで、世界各地の撮影ロケーションを選んで撮影することが可能だ。さらに、ファッションアワードのVIPイベントでは、ロンドンを拠点とするフラワーデリバリーサービス、フラワービーエックス(Flowerbx)やレイカ カメラ(Leica Camera)などのブランドがゲーム内に登場し、ユーザーはこれらのブランドと関わりながら、スタイリングのスキルを高めることができる。
その他、ゲーム内での成功が現実世界にも繋がるような体験も提供しており、プレイヤーがゲームを通じて実際の賞品を獲得するチャンスも与えられている。こうした体験を通じて、ユーザーはバーチャル空間での活動が現実に結びつく喜びを味わえるのだ。
共同CEOのルーシー・ヨーマンズ(Lucy Yeomans)は、「より深いストーリーテリングや、これまで一部の限られた人々だけが体験できた『リアルなブランド体験』を、世界中のオーディエンスにバーチャルで提供することが可能になりました。私たちのユーザーは、驚異的なラグジュアリーブランドとリアルタイムで学び、創造し、実験することができます。そして、私たちのパートナーは、自らのストーリーを強化し、新しいオーディエンスやより大きなオーディエンスと繋がり、認知度と親近感を高めることができます」と語る。
また同アプリのスタイリングでは、モデルの体型や民族性も多様であり、ユーザーが自身の価値観や美意識を反映したルックを作成出来ることも特徴だ。このインクルーシブな体験は、18歳から29歳の若年層だけでなく、29歳から35歳の層にも響く内容であり、幅広い世代のユーザーにとってファッションへの扉を開くものとなっている。
共同CEOのダニエル・スヴァード(Daniel Svärd)は、「現在、人々が情報を消費する方法が劇的に変化しています。パッシブな観察者ではなく、アクティブな参加者として関わりたいと望む時代です。人々はコンテンツを共創し、コミュニティに属していると感じたいのです。ドレストは、この変化に応えるための非常に有利な立場にあります。ユーザーにブランドや商品との直接的なインタラクションを提供するだけでなく、ブランドパートナーにもオーディエンスとの相互で本物の繋がりを築くサポートをしています。これは多くの面でゲームチェンジャーです」と語る。
ドレストは今後、ファッション業界におけるイベントやデスティネーションファッションショーと連携し、さらなる体験を提供する予定だ。ヨーマンズは、ドレストが提供する「深い没入体験」は単なるゲーム以上の意味を持ち、ファッション業界に新たな可能性を示している述べる。またブランドは、ドレストを通じて、実際のコレクションやショーを再現することで、ユーザーが体験を通じてブランドとの絆を築き、深く関わる機会を得られる。
さらに同社は、ファッション業界の著名人やスタイリストに関連したチャレンジを展開する予定だ。来年には、慈善活動をテーマにしたイベントも計画しており、ドレストがファッション業界と社会的な善意をつなぐ「ポジティブな力」としての役割を果たすことを目指していく。
ファッションとゲームの融合が拓く新たな時代
近年、このようなリアルとバーチャルをシームレスに繋ぐファッションゲームアプリは、じわじわと人気を集めている。
2024年1月には、ファッションデザイナーのトミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)と、ジョー・ラマストラ(Joe Lamastra)が共同設立したヒルフィガー ベンチャーズ(Hilfiger Ventures)社が、世界的な無料ゲームパブリッシャーのティルティング ポイント(Tilting Point)社と提携し、モバイルAIファッションゲーム「ファッションバース(FashionVerse)」のリリースを発表。このファッションバースもドレストと同様に、ファッションとゲームを融合させたもので、フォトリアリスティックなAI技術を駆使してプレイヤーがクリエイティブに自己表現することが出来る。また、様々なモデルからリアルなアバターやコスメを選び、現実世界のブランドからインスピレーションを得た洋服や最新トレンドに至るまで、全てを体験し、手に入れることが出来るファッション好きには堪らないゲームアプリだ。
このように、ファッションとゲームの融合はデジタル空間での自己表現を可能にし、ユーザーとブランドに価値ある体験を提供する新たな時代を切り開いている。ドレストやファッションバースといった革新的なプラットフォームは、エンターテインメントを超えた深い意味を持ち、ファッション業界に新たな可能性を示していくだろう。