ピッティ・イマージネ・ウオモ(Pitti Immagine Uomo)、イタリアのメンズウェア市場の回復の兆しを報告

Pitti Immagine Uomo

2025年1月にイタリアのフィレンツェで開催される第107回展ピッティ・イマージネ・ウオモ(Pitti Immagine Uomo)において、イタリアのメンズウェア市場に久々の回復の兆しが見られる。

メンズファッションの国際的なシーズン開幕を象徴する展示会として知られるピッティ・イマージネ・ウオモは、2024年の上半期にイタリアのメンズウェア輸出が2.7%増加し、55億ユーロを超える規模に達したことを本日発表した。また、輸入は10%減少し、イタリアのファッション貿易収支は改善傾向であることを伝えた。ファッション業界全体が近年厳しい四半期を重ねる中、ようやく見えてきたこの回復の兆しは、業界関係者にとって希望の光となり、同イベントがこれまでで最も力強い開催となることが期待されている。

この復活を象徴するテーマとして、「火」が第107回展 ピッティ・イマージネ・ウオモの象徴的なモチーフに選ばれた。ピッティのCEOであるラファエロ・ナポレオーネ(Raffaello Napoleone)は、パリでの会見で「これはファッション市場の再生の第一歩であり、ピッティが再び勢いを取り戻す重要な機会です」コメント。同展では、クラシックなイタリアンテーラリングからスポーツシック、アウターウェア、ストリートファッション、サステイナブルなスタイルまで、幅広いジャンルのメンズウェアが展示される予定である。

また今回のゲストデザイナーには、日本と西洋の文化を融合させたブランド、セッチュウ(Setchu)を手がける桑田悟史が招かれる。2023年のLVMHヤングデザイナープライズを受賞した桑田は、同展で自身の初となるランウェイショーを2025年1月16日にフィレンツェの国立中央図書館で開催する予定だ。桑田は「多くの知識豊富な観客の皆さんとコレクションを共有することを楽しみにしています。私にとって意味のある”多様性”、”タイムレス”、”職人技”、”機能性”といったコンセプトを軸に、特別なコレクションを創り上げていく予定で、多忙な日々が続きますが、今からその時が待ち遠しいです」と意気込みを語っている。

setchu, Pitti Immagine Uomo
Satoshi Kuwata of Setchu/ Courtesy of Pitti Immagine Uomo

日本と西洋の美学を融合し、エコフレンドリーな素材やサステイナブルな製法を用いたタイムレスなデザインが特徴的なセッチュウは、折り紙や着物の技法からインスピレーションを受けた独自の折り目を持ち、シンプルかつ機能的なアイテムを生み出している。同展で発表されるセッチュウの新作は、桑田がサヴィル・ロウ(Savile Row)で得た経験と世界各地での職人技に基づく彼のスタイルの集大成となるようだ。

加えて、コンセプチュアルファッションのパリ拠点ブランド「MM6 メゾン マルジェラ(MM6 Maison Margiela)」も特別ゲストとして参加し、限定コレクションを披露する。MM6のマネージングディレクターであるダニエル・ソージュ(Daniel Sauge)は、ピッティのユニークなコラボレーション形式に興奮を示し、「ショーとプレゼンテーションの融合で、観客に新しい体験を提供します」と語った。

さらに、約780のブランドが出展予定で、ピッティならではの斬新なセクションも注目ポイントである。ランニングとジョギングコミュニティに焦点を当てた「Knees Up Running」セクションには、アレックス ゾノ(Alex Zono)やレイド リサーチ(Raide Research)などのブランドが登場し、新たなアクティブスタイルが披露される予定である。

その他にも同展の会期中には、フィレンツェの美しい歴史的建築物や壮麗な彫像を背景に、展示やイベント、カクテルパーティーなどブランドの特性を引き立てる企画が満載だ。また注目イベントとして、中国人デザイナーを紹介する「チャイナウェーブ(China Wave)」や、コペンハーゲンのフェアCIFFとのパートナーシップによる「スカンジナビアン・マニフェスト(Scandinavian Manifesto)」、さらにプロマス・フレンチ・メンズウェア・フェデレーション(Promas French Menswear Federation)とDEFIの支援によるフランスの創造性に焦点を当てた展示も行われ、国際的なファッションシーンの多様性を表現していく。

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