フィリップ・リムが3.1 Phillip Limのクリエイティブ・ディレクターを退任

Phillip Lim

11月13日(現地時間)、デザイナーのフィリップ・リム(Phillip Lim)が、自身の名を冠したブランド、「3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)」のクリエイティブ・ディレクターを退任することを発表した。リムが手がけるコレクションは、今年9月のニューヨーク・ファッション・ウィークでブランド20周年を祝い披露された「2025年春夏コレクション」で最後となった。

リムは自身のインスタグラムで声明を発表し、以下のように述べている。

私たちは互いに対する大きな尊敬と感謝の気持ちを抱きながら、3.1 Phillip Limでの長年のパートナーシップをここで終える決断をしました。ブランドが新しい章へと進む中で、私たちが築き上げたものと、周囲の真のコミュニティの強さを誇りに思っています。私たちの共通のビジョンと努力のおかげで、この変化と挑戦の多い業界で独立性を保ちながら、驚異的な成功を収めることができました。

最初から、私たちの目標は何か意味のあるものを創り出すことでした。その過程で、ポジティブな変化を促し、創造性や責任、協力を推進する力も持てることに気付きました。この20年間で成し遂げた影響力に、非常に誇りを感じており、それに対して永遠に感謝しています。

この瞬間は、私たちにとって自然な転機であり、それぞれが新たな目標と異なる未来のビジョンを持つことになりました。ウェンはCEOおよび唯一のオーナーとして3.1 Phillip Limに残り、フィリップは新たな挑戦に向かいます。私たちのパートナーシップはここで終わりますが、ブランドは引き続き優れた手にあり、今後も成長を続けると確信しています。

2025年春のコレクションが、フィリップにとってブランドでの最後のコレクションとなります。

感謝を込めて、
フィリップ・リム & ウェン・ジョウ

Phillip Lim
Courtesy of Phillip Lim

3.1 フィリップ リムの始まりは、2005年。フィリップ・リムとウェン・ジョウ(Wen Zhou)がニューヨークで「手に届く美」というコンセプトのもとに創り上げたこのブランドは、アメリカのコンテンポラリーファッションの象徴として今日まで愛されてきた。またブランドは、ドレス、テーラリング、バッグ、シューズ、アクセサリーまで幅広いアイテムを揃え、ニューヨークやハワイから中国、日本へと店舗をグローバルに拡大してきた。

COVIDパンデミックが世界を襲ったとき、リムは単なるデザイナーを超えて社会の声に応え、デザイナーのプラバル・グルン(Prabal Gurung)やインフルエンサーのティナ・リュン(Tina Leung)らと共に「ハウス オブ スライ(House of Slay)」を共同設立し、アジア系住民へのヘイトに立ち向かい、人種差別と闘うためのメッセージを発信。

パンデミック後には、ブランドはプライベートアポイントメントでコレクションを発表し、2023年9月にはニューヨーク・ファッション・ウィークに復帰。2024年春夏コレクションにはオークワフィナ(Awkwafina)やニッキー・ヒルトン(Nicky Hilton)などがフロントローに並び、再び注目を集めていた。

なお、共同創立者のジョウは引き続きCEOおよび唯一のオーナーとして残る予定だが、ブランドのクリエイティブ・ディレクター職の後任については未定である。

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