マイケル コース(Michael Kors)、リーダーシップ体制を刷新

マイケル コース(Michael Kors)

11月26日(現地時間)、ファッションラグジュアリーグループのカプリ・ホールディングス(Capri Holdings)は、傘下ブランドであるマイケル コース(Michael Kors)のリーダーシップチームの再編成を発表した。これにより、同社は成長回帰を目指した戦略をさらに強化する。

マイケル コースのCEOに就任するのは、現在カプリ・ホールディングスの会長兼最高経営責任者を勤めているジョン・D・アイドル(John D. Idol)だ。また、2024年12月2日付で、同社のアクセサリーおよびフットウェア部門の社長を務めてきたフィリッパ・ニューマン(Philippa Newman)が、最高製品責任者(CPO)に昇進することも発表された。ニューマンは、商品企画、生産、ライセンス管理、デザインの各分野を統括し、デザイナーのマイケル・コース自身とも連携を深めることになる。

ニューマンは「マイケル氏、ジョン氏、そしてリーダーシップチームとのパートナーシップをさらに深め、マイケル・コースブランドの戦略目標達成に向けて貢献することに大変意欲を感じています。マイケル・コースは強いブランド力と大きな可能性を持っており、デザイン、商品企画、生産、ライセンス管理を統合したチームによって、より的確な製品を様々な消費者層に提供し、ブランドの成長を再び実現できると確信しています」と意欲を示している。

一方、16年間にわたりブランドを支えてきたセドリック・ウィルモット(Cedric Wilmotte)の退社も発表された。ウィルモット氏の貢献に感謝し、アイドルは「セドリック氏の16年間にわたる多大な貢献に感謝し、今後のご活躍をお祈り申し上げます」とコメントした。

こうしたリーダーシップの再編成は、既存顧客と新規顧客の双方を魅了するための戦略の一環である。店舗の生産性を向上させ、卸売事業を再び活性化するなど、包括的な取り組みがブランドの復活を支える鍵となる。

今年度、カプリ・ホールディングスは、コーチ(Coach)やケイト スペード ニューヨーク(Kate Spade New York)を傘下に持つタペストリー(Tapestry, Inc.)社に85億ドルで買収される予定だった。しかし、今月14日、両社はこの合併契約を解消することで一致し、買収の計画は白紙に戻された。その背景には、連邦取引委員会(FTC)が「この買収は市場競争を阻害し、価格の上昇を招く可能性がある」と警鐘を鳴らしたことがある。これにより、法的なプロセスが複雑化し、契約期限内での問題解決が難しいと判断した両社は、競争環境の維持を優先し、リスクを最小限に抑えるため、この決断を最善の道と見据えたのである。

カプリ・ホールディングスは今後、再び独立した戦略に舵を切り、ブランド価値を最大化するための新たなステージを模索していく。