フランスのラグジュアリーブランド、ルイ ヴィトン(Louis Vuitton)が「アクセサリーデザイン・グラデュエーツ・イニシアチブ(Accessories Design Graduates Initiative)」の第2版を発表した。このプログラムは、ヨーロッパおよびアメリカの32の名門校と提携し、ファッション、デザイン、アートを専攻する最終学年の学生に特別なキャリアの機会を提供するものだ。
ブランドはこのプログラムを通じて、レザーグッズ、小物、トランク、サングラス、ベルト、帽子、ジュエリー、旅行用品、ギフト用品のデザインを行う人材を募集し、卒業生がルイ ヴィトンのチームに加わる機会を提供する。
ブランドは声明で「ルイ ヴィトンは、デザイン、クラフツマンシップ、持続可能性の革新的なアイデアを持つ次世代のアクセサリーデザイナー、未来のルイ・ヴィトンのアクセサリーを情熱と献身で創造するクリエイターを探しています」とコメントした。
同プログラムは、2024年2月2日までに応募が可能であり、専用ウェブサイトを通じて実施される。対象となる提携校には、フィンランドのアアルト大学、フランスのInstitut Français de la Mode、イギリスのセントラル・セント・マーチンズ、アメリカのファッション工科大学(FIT)やパーソンズ美術大学など、世界屈指のファッション教育機関が名を連ねている。
2024年度アクセサリーデザイン・グラデュエーツ・イニシアチブの受賞者
昨年実施された第1回目の「2024年度 アクセサリーデザイン・グラデュエーツ・イニシアチブ」では、世界中から3名の優秀なデザイナーが選出された。
まず、日本とアメリカにルーツを持つ大西カオ(Kao Onishi)は、ジョニー・コカ(Johnny Coca)が率いるウィメンズ・ファッション・レザーグッズチームに参加している。大西は建築デザインを専門としており、スイスのローザンヌ州立美術学校で高級品とクラフツマンシップに特化したデザイン修士号を取得している。
次に、アメリカ出身のジョン・スタガマン(John Stagaman)は、ダレン・スパジアーニ(Darren Spaziani)の指揮するメンズおよびウィメンズのレザーグッズ部門に加わった。彼はプロダクトデザインの知識と経験を活かし、ルイ・ヴィトンの革製品デザインに新しい視点をもたらしている。
最後に、フランス人デザイナーのナシム・セムラリ・ヤクビ(Nassim Semlali Yacoubi)は、トランクやギフト用品を手がけるチームに所属している。彼はプロダクトデザインのバックグラウンドを活かし、ルイ・ヴィトンの伝統的な職人技に現代的な感性を融合させている。
ルイ ヴィトンは、アクセサリーを「単なるバッグや付属品」ではなく、「シンプルな装いに個性と洗練をもたらす重要なディテール」として位置づけている。アクセサリーは、控えめにエレガンスを語りかけることもあれば、力強く個性を主張する存在にもなり得る。同ブランドの哲学である、伝統的なクラフツマンシップと最先端の革新性の融合が、このイニシアチブにも見事に反映されているのだ。
今回発表された第2版の募集を通じて、ルイ ヴィトンはより多くの学生に新たなチャンスを提供し、次世代を担う優れた才能の発掘を目指している。ブランドの象徴である「サヴォアフェール(職人技)」に革新性を掛け合わせ、新時代にふさわしいアクセサリーを創造するこのプログラムは、単なる採用活動に留まらず、ラグジュアリーブランドとしての使命を新たに定義し、未来を切り開くための挑戦だと言えるだろう。