12月4日(現地時間)、日本のファッション業界を支える「一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)」は、イタリアの国際的ファッション見本市やイベントを牽引する「ピッティ・イマージネ(PITTI IMMAGINE)」とパートナーシップを締結したことを発表した。この協力関係は、両国のファッション産業のさらなる発展を目指し、統合的なプロモーション活動を展開するためのものである。
ピッティ・イマージネの最高経営責任者であるラファエロ・ナポレオーネ(Raffaello Napoleone)は、「日本のファッション・システムは、イタリアのファッションとピッティ・イマージネ展示会事業の製品とテキスタイル部門にとって中心的な役割を担っています。また、ピッティの見本市やイベントが、日本の優れたファッションの提案を世界に広める上で、いかに有益であるかを私たちは知っています」とコメント。また、「日本の製造業や小売、デザイナーを支援することが、経済的・政治的な課題が続く国際的な市場において、今後ますます重要である」とし、両者の協力が両国のファッションシステムにおける新たな可能性を切り開くという確信を示した。
一方、JFWOの事務局長である古茂田博(Hiroshi Komoda)も、このパートナーシップを「多くの日本ブランドにとってヨーロッパ市場への効率的な第一歩」と評価。JFWOはこれまでに、サルバム(sulvam)やBED j.w. FORD、ヨシオクボ(yoshiokubo)をはじめとする50以上のブランドをピッティ・イマージネのプラットフォームに送り出してきたが、その実績に基づき、今後は、さらに多くのブランドやプロジェクトを世界に紹介していく意向である。
中でも、中心的な役割を果たすのは、ピッティ・イマージネの代表的な展示会である「ピッティ・ウオモ(PITTI UOMO)」だ。メンズウェアをテーマとした同展は、世界中のバイヤーや業界関係者にとって欠かせないイベントであり、こうした国際的な連携が業界全体の活性化を促すと見込まれている。
なお、2025年1月14日から4日間に渡って開催される来季の「ピッティ・ウオモ 107」では、ゲストデザイナーに、日本と西洋の文化を融合させたブランド、セッチュウ(Setchu)を手がける桑田悟史(Satoshi Kuwata)が招かれる。桑田は、同展で自身の初となるランウェイショーを2025年1月16日にフィレンツェの国立中央図書館で開催する予定だ。
今回ピッティ・イマージネとJFWOが実現した、この新たなパートナーシップによって、両国のファッション産業に新たな風が齎され、次世代のクリエイティブな可能性を広げる契機となることを期待したい。