イタリアのラグジュアリーブランドであるプッチ(Pucci)は、次回のランウェイショーの舞台をイタリアンリビエラの象徴、ポルトフィーノに決定したことを明らかにした。ショーは2025年4月4日に開催され、カミーユ・ミチェリ(Camille Miceli)がデザインを手がける最新コレクションが、地中海の春の光に包まれる。
ポルトフィーノで春を彩るランウェイショー伝説の「マルモ」モチーフが甦る
ポルトフィーノは、パステルカラーの建物と海辺の穏やかな雰囲気が特徴の漁村であり、1950年代以降ヨーロッパの貴族や国際的なセレブたちに愛されてきた場所だ。その華やかながらもリラックスした空気感は、プッチが体現する「ドルチェ・ヴィータ」と完璧に重なり合う。ブランドは「ポルトフィーノは、地中海の自由で明るい精神をそのまま体現している」と述べ、次回のショーに最適な舞台であることを強調した。
今回のコレクションの中心に据えられるのは、プッチの創業者エミリオ・プッチ(Emilio Pucci)が1968年に発表した伝説的なモチーフ「マルモ(Marmo)」であるようだ。この大理石のような色彩豊かな波模様は、ブランドのアイコニックなデザインとして愛され続けてきたが、ミチェリは2021年の就任以来、この「マルモ」を復活させ、伝統と革新を融合した新たなビジョンを打ち出してきた。今回のショーでは、ブランドの過去と未来を繋ぐ象徴として、このモチーフに新たな命が吹き込まれるのだ。
巡回型ショーの新たな章
プッチはこれまでもユニークな巡回型プレゼンテーションでファッション界を驚かせてきた。2023年にはフィレンツェで初のランウェイショーを開催し、2024年にはローマで新たなステージを披露。さらにカプリ島やサンモリッツなど、ジェットセットたちが集うデスティネーションで「体験型」ショーを展開してきた。今回のポルトフィーノも、そうした流れを受け継ぎつつ、新たな進化を遂げる舞台となる。
ショーは「シー・ナウ・バイ・ナウ(See-now, Buy-now)」形式で、発表直後に購入可能なアイテムを展開する予定だ。また、ブランドの戦略に沿い、コレクションは複数回のドロップ形式でリリースされる見通しである。
ポルトフィーノの舞台を通じて、プッチはブランドの精神を改めて世界に発信し、地中海の豊かな文化や美の再発見を提案していく。