アライア(Alaïa)はこのほど、パリの象徴的な通りであるサントノレ通り、15番地に新たな旗艦店をオープンした。この新店舗は、ブランドの創設者アズディン・アライア(Azzedine Alaïa)の夢を形にしたものであり、彼のビジョンを受け継ぎつつ、新たな歴史を刻む場所となる。
設計は、プリツカー賞を受賞した建築家、妹島和世と西沢立衛が手掛け、アライアのクリエイティブディレクターであるピーター・ミュリエ(Pieter Mulier)が全面的に協力した。メゾンのデザイン言語である「セカンドスキン」のコアコンセプトに触発された空間には、アライアが得意とする柔らかく彫刻的なシルエットにインスパイアされた設計が、空間全体に息づいている。カラーパレットには、ヌードトーンを採用し、洗練された美しさと職人技へのリスペクトを感じさせる仕上がりだ。
1階には4つの透明なチューブ状の部屋が配置され、柔らかなピンクの光が漂う中で、衣服やアクセサリーが展示されている。これらのアイテムは、ディスプレイポディウムの上にアート作品のように配置され、ブランドの卓越したサヴォアフェールを引き立てている。
また、この空間にさらなる魅力を与えるのは、ミュリエが厳選したアート作品の数々だ。ロン・アラッド(Ron Arad)のテーブルは彫刻のような存在感を放ち、フィリップ・マロイン(Philippe Malouin)のアームチェアは洗練されたデザインで空間に温かみを添える。アメリカ人アーティスト、ダイアモンド・スティンジリー(Diamond Stingily)の作品「Elephant Memory」シリーズは、視覚だけでなく感情にまで訴えかける力を発揮している。
さらに、店舗内には2つの階段が設置されていおり、軽やかな螺旋階段は建築的なアクセントとなり、2階へと続く。
一方で直線的な階段は、メザニンフロアにある「Le Café Sant Ambroeus」へと誘う。このカフェは、親密で居心地の良い雰囲気を提供し、ミラノ発祥の料理を楽しむことができる特別な空間となっている。

アライアが持つ親密さ、職人技、そして生の美しさという価値観を強調するだけでなく、ブランドの未来を示唆する象徴的な存在として創り上げられたサントノレ通りの新旗艦店。この空間を通じて、アライアはパリでの存在感をさらに広げ、ファッションとアート、デザインが交差する新たな体験を提供していく。
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