1月25日(現地時間)、日本のファッションブランド、カラー(Kolor)の創設者であり、クリエイティブディレクターを務める阿部潤一が、2025年秋冬コレクションをもって退任することを発表した。阿部は2004年にブランドを設立して以来、21年間にわたりブランドの舵を取り続けてきた。
退任の発表はパリ19区のエスパス・ニーマイヤーで行われた2025年秋冬コレクションで、ドラマチックな形で告げられた。ゲストには銀色の封筒に包まれた手紙が手渡され、その透けたトレーシングペーパーには、「この時間は私にとって特別なものです。なぜなら、Kolorのデザイナーとして最後のショーになるからです」と記されていた。
阿部は文化服装学院で学び、コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)やジュンヤ ワタナベ(JUNYA WATANABE)でパタンナーとして経験を積んだ後、2004年にカラーを創設。2012年にはパリ ファッションウィークでのデビューを果たし、2015年からはアディダス(Adidas)とのコラボレーションも行ってきた。彼のデザインは、スポーツウェアの要素を取り入れつつ、緻密なテクスチャーの活用や実験的なレイヤリングで高く評価されている。
ショーの最後には、阿部がランウェイをゆっくりと歩き、一礼して幕を閉じた。その姿は、ブランドとともに歩んできた彼の21年間の旅路を象徴するかのようであった。
手紙はこう締めくくられている。「今までありがとうございました。今後とも、Kolorを宜しく御願い致します。では、今回のショーをお楽しみ下さい。」
なお、阿部は退任後もアドバイザーとしてブランドに関与し続ける予定であり、後任のデザイナーは「近日中に発表される」とのことだ。カラーは、阿部の精神を引き継ぎながら、新たな章へと進んでいく。
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