2月3日(現地時間)、イタリアのラグジュアリーブランドサルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)は、現CEOのマルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)が2025年3月6日をもって退任すると発表した。これは双方の合意によるもので、同社取締役会が決定した。
「マルコ・ゴベッティ氏には、ブランドの再構築と進化において大きな貢献を果たし、製品の革新やブランドポジショニングの向上を推進していただきました。また、会社およびグループ全体の組織改革にも尽力し、ブランド再生戦略の基盤を築いていただいたことに感謝しています」と、同社の会長レオナルド・フェラガモ(Leonardo Ferragamo)は声明の中で述べている。
フェラガモは、ゴベッティの後任となるCEOの選定プロセスを直ちに開始するとしており、「ブランドの再構築と伝統の価値向上を継続し、ブランドの進化を強化する役割を担う」人物を求めている。正式な後任が決まるまでの間、フェラガモ会長が経営権を引き継ぎ、ジェームズ・フェラガモ(James Ferragamo)、エルネスト・グレコ(Ernesto Greco)、ミケーレ・ノルサ(Michele Norsa)による移行期間特別委員会がこれを支援する。
なお、今回の合意により、ゴベッティには総額445万ユーロの退職金が退任から30日以内に支払われるようだ。また、STI 2024ボーナス、2024年の制限付き株式(Restricted Shares)、LTI「スペシャルアワード」2022-2026の放棄に対する補償として5万ユーロも追加で支給される。さらに、同社の報酬ポリシーに基づき、すでに支給されたボーナスにはマルス条項(malus)およびクローバック条項(clawback)が適用されることが確認されている。
ゴベッティは2022年1月にフェラガモのCEOに就任。それ以前はバーバリー(Burberry)のCEOを務め、クリストファー・ベイリー(Christopher Bailey)の後を継いで同社のウルトラ・ラグジュアリー戦略を推進した。キャリアの初期にはモスキーノ(Moschino)のCEOを務め、その後LVMH モエ ヘネシー ルイ ヴィトン(LVMH Moët Hennessy Louis Vuitton)で13年間勤務し、ジバンシィ(Givenchy)のCEOとしてリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)とともにブランドを牽引。その後、セリーヌ(Celine)に移籍し、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)とともにブランドを成長させた。
一方、フェラガモの売上は2022年に一時成長を見せたものの、2023年から減少傾向に入り、2024年も売上および利益の低迷が続いた。先週発表された2024年の暫定決算では、売上高が前年比8.2%減の10億4000万ユーロとなり、特に卸売チャネルの低迷が業績悪化の要因とされている。
ブランド再生戦略の途上でのCEO交代となるが、フェラガモは今後どのような方向へと進むのか。次期CEOの人選が、ブランドの今後の命運を左右することになる。
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