2月6日(現地時間)、ラグジュアリーブランドのグッチ(GUCCI)は、クリエイティブディレクターのサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)との契約を終了することを発表した。これに伴い、2月25日にミラノで発表予定の2025年秋冬コレクションは、グッチのデザインオフィスが手がけることとなる。後任のクリエイティブ・ディレクターについては、今後正式に発表される予定だ。
今回の発表に際し、グッチのCEOであるステファノ・カンティーノ(Stefano Cantino)は、
「サバトがグッチに注いだ情熱と献身に深く感謝しています。彼がブランドのクラフツマンシップと伝統を大切にしながら、誠意を持って取り組んでくれたことを高く評価します」と声明でコメント。
また、グッチの親会社であるケリング(Kering)のブランド開発担当副CEO、フランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)は、「サバトの忠誠心とプロフェッショナリズムに心から感謝します。グッチの基盤をさらに強化するための取り組みを誇りに思っています。新たなアーティスティック・ディレクションのもと、ブランドはファッションリーダーシップと持続可能な成長を目指して進化し続けるでしょう」と述べた。
サバト・デ・サルノの就任から退任まで
サバト・デ・サルノは、2023年1月にアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)の後任としてグッチのクリエイティブディレクターに就任。同年9月のミラノファッションウィークで発表したデビューコレクション「Gucci Ancora」は、ブランドのアイコニックなエレガンスを再解釈し、よりミニマルかつ洗練されたスタイルを提案した。しかし、売上の低迷やブランドの方向性の再調整が求められる中で、約2年という短期間での退任が決定した。
デ・サルノの退任は、ヨーロッパの名門メゾンに吹き荒れるクリエイティブ・シフトの嵐の中で発表された。数日前にはキム・ジョーンズ(Kim Jones)がディオール オム(Dior Homme)の退任を表明し、後任もいまだ決まっていない。次々と訪れるデザイナー交代の波の中で、グッチが次にどのようなアーティスティック・ビジョンを打ち出すのか、業界の関心はますます高まりを見せている。
いまやラグジュアリー市場は、伝統的なクラフツマンシップにとどまらず、デジタル戦略やサステナビリティを織り交ぜたブランド運営が不可欠な時代へと突入している。そんな中、グッチはその象徴的なブランドDNAを守りながらも、新たな時代にふさわしい創造性をどのように描き出すのか。その一手が、メゾンの未来を大きく左右することになるだろう。
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