2月6日(現地時間)、LVMHグループ傘下のメゾン、パトゥ(Patou)は、アーティスティック・ディレクターのギョーム・アンリ(Guillaume Henry)とのパートナーシップを終了したことを発表した。2019年から約7年間にわたり続いた協業は、双方合意によるものであり、アンリは今後、他のプロジェクトに専念するという。
アンリは、約30年にわたりファッション分野で活動が停止していたパトゥの再生を担うべく、2018年に同メゾンへ参画。同年に、LVMHが同ブランドの過半数支配権を取得したことを背景に、パトゥは本格的なリローンチを開始した。彼はメゾンのヘリテージを再解釈しながら、現代的で軽やかな女性像を提示し、「パトゥ・ウーマン」の新たな表現を築き上げてきたことで知られる。
なお、2026年1月のパリ ファッションウィーク 中に、パレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)で発表された2026-2027年秋冬コレクションが、アンリにとって最後のパトゥでのコレクションとなった。同コレクションは、音楽を構成原理に据えた表現が特徴で、各ルックが独自の個性を持ちながらも、全体として調和する「楽譜」のような構成として展開。デイとイブニングの境界を設けない流動的で連続性のあるワードローブで、都市的かつ現代的なパトゥ像を提示した。

スモックドレスによるコラージュ的表現、素材の質感を際立たせるカラーブロック、レースとコットンを組み合わせたギピュールドレスにベルベットのスニーカーやレザーブーツを合わせるスタイリングなどが、音楽的テーマを視覚的に体現。
また、レオパードやチェックといった伝統的な柄に中世的なモチーフを織り交ぜ、刺繍や楽器を模したジュエリー、鈴のディテール、再解釈されたベレー帽が、祝祭性と詩情をコレクションに添えていた。

LVMHで長年にわたり経営の中枢を担ってきたシドニー・トレダノ(Sidney Toledano)は、今回の発表に際し、次のようにコメントしている。
「ギョームがもたらしてくれたエネルギーに心から感謝するとともに、今後のプロジェクトでの成功を祈っています。」また、メゾンのチームとともにアンリが果たした役割について、「ギョームはメゾンのチームとともに、パトゥ再生の中心的な役割を担い、この7年間にわたり、毎シーズン、批評家や顧客から高い評価を受ける意欲的なコレクションを生み出してきました」と、その功績を称えた。
一方、ギョーム・アンリ自身も、LVMHおよびメゾンへの感謝を次のように述べている。
「この数年間にわたり信頼を寄せてくださったLVMHグループ、そして特にシドニー・トレダノに感謝したいと思います。パトゥ再生の一員であれたことをとても嬉しく、誇りに思っています。この冒険に参加し、全身全霊で取り組んでくれたすべてのチームに、心から感謝しています。」
在任期間中、パトゥはブランドとしての存在感を着実に拡大させた。発表の場をオートクチュール・ウィーク前夜に移行するなど、ショーカレンダー上のポジショニングを確立し、メディア露出を高めた点も特徴的である。さらに、オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)やラデュレ(Ladurée)、フィンランド発の作品世界「ムーミン(Moomin)」とのコラボレーションなど、カルチャーとの接点を広げる取り組みも行われた。
商業面では、パトゥは世界約100の取扱拠点にまで拡大。特に韓国や日本といったアジア市場で早期に支持を獲得し、店舗展開を進めてきた。パリでは、ポップアップ「パトゥ・マーケット」を経て、2023年にギャラリー・ラファイエット・オスマン本店内に常設スペースを構えている。
パトゥは現在、次なる成長に向けて「新たなフォーマット」を模索しているとしており、今後のクリエイティブ体制や発表形態については、現時点では明らかにされていない。
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