モンクレール(Moncler)、2024年の通年売上高31億ユーロを突破|DTC事業の堅調な成長が牽引

モンクレール(Moncler)

2月13日(現地時間)、モンクレールグループ(Moncler Group)は、2024年の通年売上高が前年比7%増の31億ユーロに達したと発表した。これは2023年の29億8,000万ユーロを上回り、アナリスト予想を超える好結果となった。特に、DTC(Direct-to-Consumer)事業の成長が寄与し、モンクレール(Moncler)ブランドは前年比8%増の27億ユーロ、ストーンアイランド(Stone Island)は2%減の4億160万ユーロを記録した。

第4四半期の業績と地域別成長

2024年第4四半期の業績では、モンクレールが前年同期比8%増、ストーンアイランドも10%増と成長を加速。DTCチャネルが引き続き成長を牽引し、モンクレールのDTC売上は9%増、ストーンアイランドは15%増と前四半期を上回る結果となった。

地域別では、アジア市場が7%増の13億8,000万ユーロを記録し、特に中国本土での2桁成長が全体の業績を押し上げた。また、欧州・中東・アフリカ(EMEA)市場は4%増の9億4,930万ユーロ、アメリカ市場は2%増の3億7,900万ユーロと堅調に推移。アメリカ市場では、パリやミラノでのアメリカ人観光客の消費が売上増加に貢献した。

アメリカ市場の拡大戦略

現在モンクレールは、アメリカ市場が今後数年間にわたり大きな成長機会を提供すると見込み、販売戦略の最適化に注力している。その一環として、ホールセールモデルの見直しを進めるとともに、ハイブリッドモデルやコンセッションモデルへの移行を加速。より柔軟で持続可能な販売網の構築を目指す。

さらに、主要百貨店との提携モデルの再構築にも取り組み、流通網の強化を図る。また、アトランタ、ダラス、ヒューストンなどの温暖な都市での実験的な展開も成功を収め、地域ごとの市場特性に応じたアプローチが奏功している。

2026年初頭には、ニューヨークの5番街にフラッグシップストアのオープンも予定しており、ブランドの存在感をさらに高め、アメリカ市場での影響力を拡大する契機となるだろう。

ストーンアイランドの展開とブランド戦略

ストーンアイランドは2024年、ブランドポジショニングの強化と認知度向上に取り組み、DTCチャネルの成長を推進した。

ストーンアイランドは2024年、ブランドポジショニングの強化と認知度向上に取り組み、DTCチャネルの成長を推進した。その結果、DTC売上は前年比21%増の2億890万ユーロに達し、グループ全体のDTC比率は52%に拡大した。

一方で、ホールセールチャネルは前年比19%減の1億9,270万ユーロと減少し、流通戦略の見直しが進められた。ブランドの統制強化を図るため、流通網の質を向上させる施策を実施し、より統制の取れたブランド展開を目指している。

地域別の業績では、アジア市場が18%増と好調に推移し、日本市場が特に成長を牽引。一方で、EMEA市場は6%減、アメリカ市場は19%減と厳しい状況が続いた。ただし、第4四半期にはアメリカ市場の売上が前年同期比2%増とわずかに回復し、ホールセールチャネルの改善が寄与した。

こうした結果を受け、ストーンアイランドはDTC事業のさらなる拡大とブランド認知の強化に取り組み、成長基盤の確立を進める見込みだ。

2025年の見通し

今後の2025年に向けて、モンクレール ブランドはインフレの影響を考慮し、製造コストの上昇を反映させるため、一桁台の価格調整を実施する予定である。

モンクレール グループの会長兼CEOであるレモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)は、「2025年も引き続き不確実なグローバルマクロ環境が続く」としながらも、「創業以来変わらぬ信念として、『決して妥協せず、決して飽きることなく、他者を夢中にさせること』を掲げています」と述べ、ブランドの持続的成長への意欲を示した。

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