エルメス(Hermès)、第4四半期の売上が大幅増加|ラグジュアリー市場の低迷を打破

Hermès

2月14日(現地時間)、エルメス(Hermès)が発表した2024年第4四半期および通年業績は、低迷が続くラグジュアリー市場の中でも力強い成長を示した。第4四半期の売上高は39億6,000万ユーロに達し、為替レート一定ベース(CER)で18%増と大幅に伸長。特にアメリカと日本市場での売上が大きく伸び、好調な結果となった。

エグゼクティブ・チェアマンのアクセル・デュマ(Axel Dumas)は、「2024年、より厳しい環境の中で、素晴らしい1年を迎えました」とコメントしている。

堅調な成長を続けるレザーグッズ部門とプレタポルテ

エルメスの売上の約半分を占めるレザーグッズ&馬具部門は、21.5%増(16億6,900万ユーロ)と、ブランドの成長を牽引する結果となった。高級ハンドバッグ市場の堅調な需要が、この部門の売上増加を後押ししたと考えられる。

また、プレタポルテ&アクセサリー部門も引き続き好調で、17.4%増(11億800万ユーロ)。このほか、シルク&テキスタイル(7.3%増)、フレグランス&ビューティー(16.9%増)、時計(2.6%増)と、すべての部門が前年同期比でプラス成長を記録した。

地域別に見ると、フランスは11.8%増、ヨーロッパ(フランス除く)は20.7%増と堅実な成長を遂げた。特に目を引くのは、日本とアメリカの躍進である。日本は22.4%増、アメリカは22.3%増と、第4四半期の成長を牽引した。また、中東市場は123.2%増と大幅な伸びを見せており、同地域でのブランドの存在感が高まっていることが伺える。

通年業績も力強い成長

通年の売上高は152億ユーロ(CERで+15%、実際の為替レートで+13%)に達した。経常営業利益は62億ユーロ(売上高の40.5%)、純利益は46億ユーロ(前年比7%増)と、いずれも前年を上回る結果となった。

部門別の年間成長率では、レザーグッズ&馬具(18.3%増)、プレタポルテ(15.4%増)、シルク&テキスタイル、フレグランス&ビューティーも堅調に推移。一方で、時計部門は年間を通じて4.2%減となったが、第4四半期には回復の兆しを見せた。

エルメスの成長を支えた要因の一つに、新店舗の開設や改装が挙げられる。2024年にはアメリカ・アトランタ、プリンストン、日本・銀座など、主要都市での出店やリニューアルが続いた。さらに、需要の高いレザーグッズの生産能力を拡大し、フランス国内で新たな工房を開設する計画も進行中だ。

エルメスは今後について、「経済・地政学的・金融市場の不確実性がある中でも、為替レート一定ベースでの売上成長という野心的な目標を維持する」とコメント。「2025年も、自社の強みである統合された職人モデル、バランスの取れた流通ネットワーク、クリエイティブなコレクション、そして顧客の忠誠心を活かし、さらなる成長を目指す」との姿勢を示した。

また、2025年のテーマとして「職人技に導かれる(Drawn to craft)」を掲げ、クラフトマンシップの価値をさらに高めていく方針だ。

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