ビルケンシュトック(Birkenstock)、2025年度第1四半期決算は売上高19%増で好調なスタート

Birkenstock

2月20日(現地時間)、ドイツ発のフットウェアブランド、ビルケンシュトック(Birkenstock Holding plc) は、2025年度第1四半期(2024年10月〜12月)の決算を発表した。売上高は3億6200万ユーロとなり、前年同期比19%増を記録。これは、同社が掲げていた年間ガイダンス(15〜17%増)を上回る成長であり、特にホリデーシーズンの強い需要が業績を押し上げた。

堅調な業績、すべての地域で2桁成長

同社の売上成長は、地域ごとの市場拡大が寄与している。アメリカ大陸 では16%、EMEA(欧州・中東・アフリカ) では17%、APAC(アジア太平洋) では47%の成長を遂げた。特にAPAC地域では、直営店やパートナーとのモノブランドストアの展開を加速させたことが大きな要因だ。

チャネル別の売上を見ると、B2B(法人向け取引) は前年同期比30%増と大きく伸長し、特に既存の卸売パートナーによる取り扱い強化が寄与した。一方、DTC(直接販売) は前年同期比11%増となり、過去の急成長と比較するとやや鈍化したものの、安定した成長を続けている。

また、製品カテゴリー別では、クロッグやその他のクローズドトゥ(つま先が覆われた)シューズ、ブーツの販売が好調 であり、これらのアイテムが前年同期比600ベーシスポイントのシェア拡大を記録した。

利益面での成長と財務状況

2025年度第1四半期の純利益は2000万ユーロ となり、前年同期の700万ユーロの純損失から大幅に改善。1株当たり利益(EPS)は0.11ユーロに上昇した。調整後純利益は3300万ユーロ(前年同期比99%増)で、調整後EPSも0.18ユーロ(前年同期の0.09ユーロから100%増)となった。

調整後EBITDAは1億200万ユーロ(前年同期比25%増)、EBITDAマージンは28.2%(前年同期の26.9%から130ベーシスポイント上昇)と、収益性も向上。ただし、粗利益率は60.3%で前年同期の61.0%から70ベーシスポイント低下。これは、B2B売上の構成比が増加したことによる影響とみられる。

また、設備投資額は1900万ユーロ で、生産能力拡大を目的とした投資を継続。同社は第1四半期末時点で現金及び現金同等物2億9900万ユーロ を保有しており、ネットレバレッジ比率は1.9倍と安定した財務基盤を維持している。

ビルケンシュトック・グループのCEOであり取締役会メンバーの オリバー・ライヒェルト(Oliver Reichert) は、今回の決算について、「2025年度第1四半期の業績は、重要なホリデーシーズンにおける当社ブランドの強さを反映しています。ビルケンシュトックは、ギフトアイテムとして高い需要があり、卸売パートナーにとっても欠かせない存在でした」と述べ、「すべてのセグメントで非常に強い成長が見られ、とりわけAPACでは、店舗開設やB2Bパートナーへの供給を加速させたことで、大幅な成長を遂げました。これらの好調なスタートを受け、2025年度の業績ガイダンスを達成できると確信しています」と強調した。

今後の見通しと新セグメント報告体制

なお、ビルケンシュトックは2025年度の業績ガイダンスを据え置き、以下の目標を掲げている。

  • 為替変動調整後の売上成長:15-17%
  • 調整後EBITDAマージン:30.8-31.3%
  • 粗利益率を長期目標の60%に向けて改善

また、2025年度第1四半期から新たなセグメント報告体制を導入。EMEA(欧州・中東・アフリカ) セグメントに中東・アフリカ地域を統合し、APAC(アジア太平洋) にインドを編入する。アメリカ大陸セグメントに変更はない。

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