2月24日(現地時間)、LOEWE(ロエベ)は、中国・上海の静安区にアジア最大規模の旗艦店「カサ ロエベ シャンハイ(CASA LOEWE Shanghai)」をオープンした。南京西路と常徳路の交差点に位置するこの店舗は、総面積695㎡を誇り、ブランドの世界観を五感で体験できるラグジュアリーな空間となっている。
クラフトとモダンが融合した空間デザイン
カサ ロエベ シャンハイの外観は、スペインの職人によって手作業で制作されたゴールドのセラミックタイルで覆われており、光の反射によってダイナミックな輝きを放つ。インテリアには、ホワイトやブラウン、ゴールド、オレンジ、グリーンといった暖かみのあるカラーを取り入れ、大理石や真鍮、ガラス、オーク材などの高級素材を組み合わせることで、ミニマルでありながらも豊かな表情を持つ空間が生み出されている。
同店は、単なるブティックを超え、「コレクターの邸宅」を構想したものだ。店内には、ヘリット・トーマス・リートフェルト(Gerrit Thomas Rietveld)による「ユトレヒト」アームチェアや、アクセル・フェルフォールト(Axel Vervoordt)の浮遊する石のテーブルなど、世界的デザイナーによる家具が配され、まるでギャラリーのような洗練された空間を演出。
また、ロエベが重視するクラフツマンシップを体現するアート作品も展示されており、ジョン・ワード(John Ward)の陶器、松本破風(Hafu Matsumoto)の竹細工、エルンスト・ガンペール(Ernst Gamperl)のオークの器など、伝統技術を駆使した作品が並ぶ。さらに、ケン・プライス(Ken Price)やマヘシュ・バリーガ(Mahesh Baliga)による鮮やかな絵画が店内に彩りを添え、ショッピングの枠を超えた没入感のある体験を提供している。
ロエベ ファンデーション クラフト プライズ受賞作家の作品も登場
今後、カサ ロエベ シャンハイには新たに2つのアート作品が加わる予定だ。一つは、日本の陶芸家・崎山隆之(Takayuki Sakiyama)が手がけたストーンウェア彫刻《潮涛(Chōtō)》で、2021年のロエベ ファンデーション クラフト プライズ(LOEWE FOUNDATION Craft Prize)で特別賞を受賞した作品。また、もう一つは、2022年の同賞受賞者であるチョン・ダヘ(Dahye Jong)による、馬毛とステンレススチールの球体で、これは「2024年度 ロエベ ランプス プロジェクト(LOEWE Lamps Project 2024)」の一環として展示される。
上海という国際都市に新たな拠点を構えたロエベ。アートとクラフトを融合させたこの旗艦店は、ブランドのアイデンティティを象徴する存在となりそうだ。
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