9月22日(現地時間)、グッチ(Gucci)は、アーティスティックディレクターに就任したデムナ(Demna)の初コレクションを、ミラノ・ファッションウィークでのデビューを控えたタイミングでサプライズ発表した。前触れのない突然の公開は、デムナらしい挑発的な仕掛けとして話題を呼んでいる。
コレクションは「ラ・ファミリア(La Famiglia)」と題され、写真家キャサリン・オピー(Catherine Opie)がポートレート形式で撮影した。キャンペーンはブランドの公式インスタグラムを刷新する形で解禁され、約37〜38体のルックが披露されている。そこには「バスタルド(Bastardo)」「アンドロジーノ(Androgino)」「パーティーボーイ(Partyboy)」など、多彩な“グッチ・ファミリー”のキャラクターが登場。ブランドのアーカイブ的要素に、デムナ特有のユーモアやアイロニーが重ねられている。
マリアカルラ・ボスコーノ(Mariacarla Boscono)は赤のクロップドコートにダークサングラスを合わせ、アレックス・コンサニ(Alex Consani)は誇張された肩を持つ虎柄のファーコートとポインテッドパンプスで存在感を放つ。またアクセサリーでは、「グッチ バンブー 1947」やローファーといったアイコニックなアイテムが、現代的に再解釈されている。





グッチはプレスリリースで、「『La Famiglia』は、過去を通じて未来へ向かうストーリーテリングへの回帰を意味し、デムナによるグッチのビジョンを築く美学を定義するもの」と説明。今回のカプセルは、9月25日から10月12日までニューヨーク、ロサンゼルス、北京、上海、シンガポール、東京、ソウル、ロンドン、ミラノ、パリの10店舗で限定販売される。
セクシーさ、華美さ、大胆さを前面に打ち出したデムナのグッチは、まだ幕開けにすぎない。しかしその華やかさの裏側には、避けて通れない課題が存在する。
同社の売上高は2022年の104億9,000万ユーロから2024年には77億ユーロへと大幅に落ち込み、2四半期連続で25%減という厳しい状況にある。こうした中で新CEOに就任したフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)とデムナには、ブランド再建という大きな使命が託されているのだ。来年2月にはデムナ体制下で初となる本格的なショーが控えており、その舞台でグッチの新たな方向性がより鮮明に示されることになるだろう。
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