ロレアル(L’Oreal)、米国ニュージャージー州に1億6,000万ドルの研究拠点を新設

L’Oreal

ロレアルグループ(L’Oreal Groupe)は2月27日(現地時間)、米国ニュージャージー州クラークに1億6,000万ドルを投じた北米研究・イノベーション(R&I)センターの正式オープンを発表した。総面積約25万平方フィート(約23,000㎡)を誇るこの最先端施設は、ロレアルのグローバルR&Iネットワークにおいて、フランス国外最大の拠点となる。

未来のビューティーを形作る、新たな研究ハブに

この新たな研究のハブでは、新成分の先行研究から処方開発、大規模生産へのスケールアップまでを一貫して担っていく。さらに、メイベリン(Maybelline)、セラヴィ(CeraVe)、レッドケン(Redken)、キールズ(Kiehl’s)といったロレアル傘下の米国ブランドを支える研究の中核拠点としての役割も果たす。

施設内には、26,000平方フィート(約2,400㎡)のモジュール型ラボラトリーや、最大400名の消費者が参加可能なコンシューマーセンター(製品テスト・共同開発)、大規模生産前の試作を行うオンサイトのミニ工場が設置され、より精度の高い製品開発と市場投入を可能にする。

ロレアルグループ副CEOのバルバラ・ラヴェルノスは、「米国は、未来のビューティーを形成する最前線の市場です。多様な消費者層と革新的な技術環境が融合するこの地は、ロレアルのビジョンを推進するのに最適な場所です」と述べ、同センターがロレアルのグローバルR&I戦略において重要な位置づけであることを強調した。

また、ロレアルUSA CEOのデビッド・グリーンバーグも「私たちは単なる製品開発ではなく、米国の才能とともに経済成長を牽引し、ビューティー業界の未来を築いていきます」と語り、北米市場における同社のプレゼンス強化を示唆した。

持続可能性を軸にした次世代型研究施設

また、ロレアルは、同センターを通じて持続可能なビジネスモデルの確立を目指すだけでなく、業界全体の変革をリードする構えだ。

同社のサステナビリティビジョン「L’Oréal for the Future」に基づき、同センターは環境負荷の低減を徹底した設計が採用されている。施設のエネルギーの約70%は1万枚のソーラーパネルによって供給され、CO₂排出量を削減。加えて、エコリテンション池を活用した雨水管理システムを導入し、水資源の持続可能な活用を実現している。さらに、従業員主導のガーデニングやコンポスト活動を推進し、自然環境と調和したワークスペースの創出にも取り組んでいる。

 L'Oréal Groupe
Courtesy of L’Oréal Groupe

北米研究・イノベーション(R&I)センターは、2022年に着工し、2023年半ばから従業員の受け入れを開始した。2025年2月より本格的に稼働し、ロレアルの次世代ビューティーイノベーションの最前線として機能し始めている。

持続可能性とイノベーションを軸に、ロレアルは次世代のビューティー市場を牽引し、世界の消費者ニーズに応える体制をさらに強化していく方針だ。

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