3月8日(現地時間)、フランスのファッションブランド、カルヴェン(Carven)は、新たなデザインディレクターにマーク・トーマス(Mark Thomas)を任命したことを発表した。これまでシニアデザイナーとしてブランドのクリエイションを支えてきたトーマスが、今後はデザインの指揮を執ることとなる。彼の就任により、カルヴェンがここ数シーズンで築き上げたスタイルを継承しながらも、新たな進化を遂げることが期待される。
内部昇進で継続性を重視
カルヴェンは2023年にルイーズ・トロッター(Louise Trotter)をクリエイティブディレクターとして迎え、ブランドの再構築を進めてきた。わずか3シーズンという短い期間ながらも、トロッターとトーマスが手掛けたデザインは高く評価された。
トロッターの退任後、ブランドのオーナーである中国のICCFグループは、内部昇進という形でトーマスを抜擢。この決定には、過去数シーズンのデザインコードを引き継ぎながら、一貫性のあるクリエイティブ戦略を維持する狙いがあるとみられる。
トーマスはセントラル・セント・マーチンズ(Central Saint Martins)を卒業後、ジバンシィ(Givenchy)やジョセフ(Joseph)で経験を積み、2017年から2019年まではヘルムート ラング(Helmut Lang)でクリエイティブディレクターを務めた。その後、ラコステ(Lacoste)でトロッターと再びタッグを組み、2023年にカルヴェンに加わった。長年にわたりトップメゾンで培ってきたトーマスの経験とクリエイティブの手腕が、カルヴェンの新たなステージへどう反映させていくのかが注目されるところだ。
2025年秋冬コレクションは予定通り開催
なお、ブランドは、新体制のもと、2025年秋冬コレクションを予定通りパリ ファッションウィークで発表する。CEOのショーナ・タオ(Shawna Tao)は声明の中で、「このAW25ショーでは、メゾンの本質と、今後の発展において継続していくコードに焦点を当てます。より深い探求の余地を残すため、今回は簡潔でフォーカスされたコレクションとなるでしょう」と語っている。
今週日曜日に披露される2025年秋冬コレクション、そして2026年春夏コレクションへと続き、カルヴェンの新たな章がここから始まっていく。
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