3月16日(現地時間)、ファストファッションブランドのフォーエバー21(Forever 21)を運営する米国法人が、チャプター11(米連邦破産法第11章)を申請した。デラウェア州破産裁判所に提出された申請書によると、同社の資産は1億ドル〜5億ドル、負債は10億ドル〜100億ドルの範囲にある。
同社はプレスリリースで、「PSAおよびチャプター11手続きを通じて、店舗での清算セールを実施すると同時に、一部または全資産の売却に向けた裁判所監督のもとでの販売およびマーケティングプロセスを進める」と発表した。
2019年に続く2度目の破産申請
フォーエバー21は、2019年にも破産申請を行い、多くの店舗閉鎖を余儀なくされた。その後、サイモン・プロパティ・グループ(Simon Property Group)、ブルックフィールド(Brookfield Corp.)、オーセンティック・ブランズ(Authentic Brands)が共同で設立したSparc Groupによって買収され、経営再建が図られてきた。しかし、経済環境の変化や消費者行動の変容が逆風となり、再び財務的な困難に直面した。
2024年1月には、スパーク・グループ(Sparc Group)と、百貨店のJCペニー(JCPenney)が統合し、カタリスト・ブランズ(Catalyst Brands)が設立された。その際、カタリスト・ブランズは「フォーエバー21の事業運営に関する戦略的選択肢を検討している」とコメントしていたが、今回の破産申請により、事業の継続が厳しい状況にあることが明らかになった。
ショッピングモール衰退とオンライン競争の影響
フォーエバー21が直面した課題のひとつは、米国におけるショッピングモールの衰退だ。近年、消費者は実店舗ではなくオンラインショッピングを選択する傾向が強まり、モールを中心とするビジネスモデルに依存していた同社の業績を圧迫した。加えて、インフレの影響で消費者の購買意欲が低下し、低価格帯のアパレル市場も厳しさを増している。
なお、破産申請の影響を受けるのは米国内の事業のみであり、その他の国のフォーエバー21店舗はライセンス契約のもと運営されているため、今回の手続きには含まれない。また、フォーエバー21の商標および知的財産権はオーセンティック・ブランズが引き続き保有しており、今後も何らかの形でブランドが存続する可能性はある。
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