3月27日(現地時間)、アメリカ発のラグジュアリーコスメブランド、アワーグラス(Hourglass)がニューヨークのノリータに待望のグローバル旗艦店をオープンした。
ソーホーのプリンス通り14番地に位置するこの旗艦店は、ブランドが新たに目指す、「親密で心地よい体験型リテール」をテーマに構築されたものだ。設計を手がけたのは、ブランド創業者兼社長のカリサ・ジェインズ(Carisa Janes)と、TMRデザイン(TMR Design)、クロジエ・スタジオ(Crozier Studios)のライアン・クロジエ(Ryan Crozier)のチーム。温かみのあるトーンの空間には、大理石の質感やゴールドのアクセントが散りばめられ、アワーグラスらしいミニマルでエレガントな美学が息づいている。
例えば、窓から降り注ぐ自然光は、肌に触れるカラーのニュアンスをよりリアルに反映。また、窓際にはアーティストステーションが並び、来店者はナチュラルな光の下で製品を試すことができる。中心には、天然石と特注金属で作られたマーブルのビューティーバーが佇み、ブランドの代表的アイテムが美しくディスプレイされている。
さらに店内には、気軽に腰をかけてメイクを試せるソファスペースや、コーヒーやシャンパンを片手にくつろげるプライベートラウンジも完備。ギフト用のラッピングを提供するギフティングバーや、オンライン注文品の店頭受け取り、返品対応など、現代の消費者ニーズに寄り添ったサービスも整っている。
この旗艦店の背景には、ブランドが過去の経験から得た知見がある。アワーグラスは、パンデミック以前に運営していた2つの実店舗を閉じた後、2024年9月に「バーニーズ・ニューヨーク」と提携し、期間限定のポップアップを実施した。そこで、アイシャドウパレットやリップスティック、フレグランスなどバーニーズとコラボレーションをした限定品を販売し、大きな注目を集めた。
こうしたポップアップでの経験を活かし、今回の旗艦店には”空間を通じてコミュニティとつながる”という発想を色濃く反映させるようにした。また今後は、「アーティスト・イン・レジデンス」シリーズとして、著名なメイクアップアーティストを招いたイベントを開催。第1弾は、セレブリティメイクアップアーティストのエミリー・チェン(Emily Cheng)を迎え、2025年4月よりスタート予定である。その他にも、マスタークラスやパネルディスカッション、アートインスタレーション、トランクショー、限定プロダクトの先行販売など、ブランドの世界観をリアルに体感できる多彩なプログラムが予定されている。
「売る」ことだけを目的とせず、「感じる」「集う」「つながる」といった体験も重視した空間へ。アワーグラスの新たなニューヨークの旗艦店は、ポスト・パンデミック時代のリテールにおける新たな指針となりそうだ。
【店舗情報】
アワーグラス グローバル旗艦店
住所:14 Prince Street, New York, NY
営業時間:月〜土曜 11:00〜19:00/日曜 12:00〜18:00
View this post on Instagram
Copyright © 2025 Oui Speak Fashion. All rights reserved.